宇宙航空研究開発機構(JAXA)が7月、観測ロケットを打ち上げ、「スクラムジェットエンジン」に関する燃焼飛行試験を実施しました。極超音速ミサイルの開発をめざす防衛省防衛装備庁から18億円超の契約額で委託された研究業務の一環です。宇宙探査や地球観測衛星など民生分野で世界的な活躍をしてきたJAXAが、兵器開発にどこまで組み込まれていくのか―。(中村秀生) 「所望のデータの取得ができ、満足のいく成果があがった」 岸信夫防衛相(当時)は、飛行試験の2日後の記者会見でこう称賛しました。「今後、防衛省が進める極超音速誘導弾の研究開発において、スクラムジェットエンジンの性能等、評価・検討するにあたり、こうした成果を活用できるものと期待している」 開発をめざす極超音速ミサイルは、敵に迎撃されにくい高度を軌道変更しながら極超音速(マッハ5以上)で飛翔(ひしょう)できる巡航ミサイル。装備庁は「相手方の脅威圏外