こんにちは、外科医の後藤です。 外傷や急性疾患を発症したとき、身体所見から診断を行うことは医療の基本ですが、もちろん実際に身体の中で何が起こっているかを見ることはできません。 地上ではCT・MRIなど高解像度の大型画像機器によって、身体内部の病変を大部分描出することが可能となっていますが、宇宙で使用できる画像機器は大きさも種類も非常に限られています。 宇宙での医療に現在最も役に立つ画像機器は何か、また今後どのような画像機器が宇宙で求められるのか。 今日はそれについて考えてみます。 宇宙で最も有用な画像機器、超音波宇宙での医療用画像機器は、スペースや運搬上の事情から現状では「小型・ポータブル」であることが求められます。 現在、国際宇宙ステーションで唯一かつ最も有用な画像機器は、超音波=エコー(Ultrasound: US)です。 エコーは、プローベと呼ばれる部分を身体に当てることで、高周波数