不意に、目が覚めた。疲れていると目覚ましが意味をなさないような自分の眠りから、このように覚めることが、年に数回ある。原因は見当もつかないが、悲しい出来事が起こる日に多いように思う。少しずつ覚醒してくると、携帯電話のアラーム……ではなく、着信音が部屋に鳴り響いた。画面に目をやると、姉の名前が表示されている。何かを察し、すぐに通話ボタンを押す。 「もしもし?」 「……たっくん…………」 姉が、泣いている。 「お父さん、逝っちゃったっ……!」 「……そっか…………」 その後も泣きながら話す姉に対し、自分は淡々と言葉を返していく。 父は数年前から癌を患っており、状態が悪化した先週には一度帰省して、直接会って話はしていた。覚悟は、できていた。姉に急いで帰る旨を伝え、電話を切る。勤務先に連絡をして、飛行機の予約をして、荷物をまとめて……。ベッドに座りながら、これからやるべきことを頭の中で整理する。 ま
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