昆虫を、草木を本当に愛する著者が津波後の海岸を歩き、絶望と希望をそして人間の開発の不条理を伝えてくれる1冊。 図書館の新着本に並んでいたのを手に取りました。 瓦礫の中に1本のヒマワリの花が咲く表紙が印象的です。 でも、本の内容はそんな情緒的なものではありません。 もっと深刻です。 東北は「自然が豊か」というのを売りにしてきましたが、 実際は、大規模農業により里山や湿地を壊しながら進めてきたなかで かろうじて残されてきたものだということが 今回の津波で如実に表れました。 希少種(トンボやハンミョウ)の 小さな保護地区となったいた湿地や池は、 津波で根こそぎ海水に浸かりその姿がこの1年見えない (見えないからといって直ちに絶滅とはいえないが) 状況が続いており、 復旧の土木工事が続くなかで、 荒れ地には「外来種」がばっこし、 在来種はますます隅に追いやられているようです。 そして、「復旧」の名