太平洋沿岸の「南海トラフ」付近で起きる巨大地震による津波で大きな被害が想定されている、和歌山県海南市の港で、ふだんは海面の下にあり、津波の際に浮上する、全国で初めての「浮上式防波堤」の建設が、ことし10月から始まることになりました。 この防波堤は、ふだんは船の往来を妨げないよう海中に沈ませておき、津波が予想されるときに空気を自動的に送り込んで浮上させ、津波を防ぐものです。 国土交通省が、全国で初めて和歌山県海南市の和歌山下津港の入り口付近に、230メートルの長さで設置を計画し、ことし10月から本体の工事を始めることが決まりました。 計画では、防波堤が浮上したときの海面からの高さは6メートル40センチですが、29日に公表された南海トラフ付近の巨大地震の被害想定では、海南市の津波の高さが最大で防波堤を上回る8メートルと推計されました。 これについて、国土交通省和歌山港湾事務所の谷島義孝所長は、