NHKの籾井勝人会長が1月25日の就任会見で、戦時中の従軍慰安婦や強制連行などに関して政治的な発言をしたことに対して、与野党からの批判も高まっている。その理由は、放送法ではテレビ局は政治的な中立性を求められており、籾井氏の発言がそれを損なう可能性があるからだ。 籾井氏の個人的な信条や歴史観はさておき、番組制作に責任を持つNHK会長が公式の場で発言する内容ではなかったことは明らかだ。その見識が問われるし、今後、NHKの番組への信頼性が損なわれかねない。NHKの番組は海外で最も放映されており、その番組への信頼性が低下すれば、それこそ日本という国自体への信用も落ちかねない。 この籾井氏の発言も含めて、最近の財界人や政治家の発言は極度にいわゆる「右傾化」していると感じる。2012年12月の総選挙で自民党が大勝して安倍政権が誕生して以来、安倍晋三氏の個人的な歴史観や信条に近い人たちが、政治の中枢に座