祭典のフィナーレで夜空を流星群で飾ったり、記念日に流れ星を贈ったり。こんな夢が人工衛星から流れ星の「もと」を落とすことで、かなうかも知れない。素材や飛んでくる方向がわかっている人工流れ星の観測で、宇宙から届く流れ星や高層大気の新たな研究への期待も広がる。 イベントで要望あれば のぞき窓の奥が、直視できないほどまぶしく光った。 「マイナス0・86等!」 昨年12月、相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験室。真空容器で、秒速5キロに加速したプラズマが人工流れ星のもとになる粒を蒸発させた。 日本大航空宇宙工学科の阿部新助准教授は手応えを感じた。空が明るい都会でも見られるよう、1年かけて光の強さを高めてきた。実験では金属や鉱物のほか、本物の隕石(いんせき)も蒸発させた。粒の密度や材質を工夫し、当初の実験よりも明るさを約20倍に高めた。夜空に輝く恒星で最も明るいマイナス1・5等のシリウスに