この本は4年前に出版された。チェルノブイリ原子力発電所事故から20年の自然誌を詳細にまとめられている。 第1章チェルノブイリとニガヨモギ 第2章チェルノブイリの四季 第3章ベラルーシの鳥 第4章核の聖域 第5章自然に帰る 第6章苦よもぎの水 第7章定住する人々 第8章「不自然な自然」の将来 「人間の手で汚染された一帯から人間が締め出されると,邪魔に入らない野生の地になる状況だ。」 「ゾーンのあらゆる食物連鎖の環にしのびこんだ放射性核種は,ゾーンの不自然に自然な要素になってしまった。放射能に汚染されたチェルノブイリのニガヨモギの森では,人工物が自然の不可解な要素となっているのだ。」 「ゾーンの汚染が万華鏡さながらに常に変化することだ。強風,嵐,森林火災が汚染のない地域に放射性核種を広げることもある。」抜粋より 数日前,チェルノブイリ原発事故25年を経て,なお,放射能漏れの危険の現実にさらされ
今回の、東日本大地震において、死者のおよそ6割が60歳以上であったというニュースがあった。この老人の死者の割合は、やはり大きいと言わざるをえない。 津波において、なによりも重要なことが、一秒でも早く、安全な場所に移動することだったとするなら、年寄の第一歩がどうしても遅くなることは、この問題への根本的な解決の難しさを実感せざるをえない。私たちが考えるのは、市民社会が満たすべき条件といったもので、そんなに簡単に大量死をだすわけにはいかない。そんなに簡単に大量に人が死ぬのであれば、それは市民社会ではないわけで、それは年寄りだろうと関係ない(小さな子供のいる家庭や、ある程度の年齢に達したら、陸の方に引っ越すというようなことは、いずれにしろやるべきなのだろうか...)。 この前の、みのもんたの朝の番組では、岩手では、津波は30メートルを超えていた、という。なぜか、震源から北の方が津波は高かった。ただ
先日、飲んでいる最中に電話が鳴り、某誌編集者から、いきなり翌日締切りで書評原稿を書いてくれ、と言われてしまった。うっかりして、依頼を忘れていたらしい。そのとき読んでいたのがちょうどこの本。 乾燥標本収蔵1号室―大英自然史博物館 迷宮への招待 作者: リチャード・フォーティ,渡辺政隆,野中香方子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/04/22メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 33回この商品を含むブログ (14件) を見る というわけで、この本は、そもそもこのブログ書評のために読んでいたのだが、急遽雑誌にも書くこととなった。同じ本を二度取り上げることになったが、ご容赦を。 著者は、 『Trilobite!: Eyewitness to Evolution』(邦題『三葉虫の謎―「進化の目撃者」の驚くべき生態』)や『Life: An Unauthorised Biograph
『乾燥標本収蔵1号室』(R.フォーティ著、NHK出版)を読む。 『生命40億年全史』、『地球46億年全史』の著者のフォーティ先生が大英自然史博物館の裏の裏まで案内してくれる一冊。冒頭に著者曰く、「人生は記憶という名の館長が管理するコレクションで成り立っている。人は思い出や出来事を拾い集めて保管し、半ば忘れ去り、あるいは心の奥の棚にしまい込む。なかには思い出したくないこともあるが、そうやって保管されたもののすべてがよくも悪くも自分という人間をつくり上げている」と。この博物館の使命は、蒐集し、分類し、そして捨てないこと。この仕事に勤しむ(収蔵品に優るとも劣らない)風変わりな人々(これらの愛すべき人々の幾人かはサッチャリズムの余波を受けてそれぞれの人生を歩む)のエピソードを著者のウィットに富んだ語りで楽しんだり、学名の命名にまつわる裏話を読むだけでも十分楽しめるのだが、なによりも本書に一貫して流
リチャード・フォーティ著 NHK出版 サブタイトルは「大英自然博物館迷宮への招待」。本当は、ゴールデンウィーク前に読了したかった。しかし、ゴールデンウィークの前半をたっぷり楽しんでしまった。 本書は、著者が1970年から2006年まで所属していた大英自然博物館の舞台裏の話である。博物館には、内部(見学者が決して見ることが出来ない場所)に多くの研究者、キュレーター、助手達がいて様々な資料の整理、分類、研究をしている。これはどこの国でも同じらしい。 大英自然博物館には、子供の好きな恐竜や昆虫、化石、植物、鉱物(実際にはもっと細かいジャンルで構成されている)などが展示されているのだが、それはそれぞれの専門の研究者によって系統付けされ、研究されている。 この人達がなかなか面白いのだ。 つまり、一筋縄でない奇人、変人、天才、超が付く真面目人間といった人達が博物館の中を蠢いているのだ。これらの人達
海外書籍の翻訳には誤訳が付き物だ。翻訳書を読んでいて何か文章の意味が取れないとかしっくり来ない感じがしたら、たいていの場合翻訳を疑うことができる。もちろん読みやすいように工夫した結果原文には忠実でないケースもあるが、その場合はスムーズに読めるのだからそれはそれでいい。 小説であれば、多少違和感があっても誤訳だろうと割り切って読み飛ばしてしまうのだが、困るのは専門書の誤訳である。サイエンスをはじめ、社会科学や経済に関する解説書の翻訳書を読んでいると、意味がよく理解できないことが多々ある。何か新しい知識を得たいと読むわけだから、もともと十分な知識があるわけではない。したがって、書いてある内容が理解できないのが本質的に理解できないせいなのか、あるいは単に誤訳のせいなのかが判断できないのである。 ハーバード大学物理学教授のリサ・ランドールの「ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く」(NHK出版)は結
「ウェブリブログ」は 2023年1月31日 をもちましてサービス提供を終了いたしました。 2004年3月のサービス開始より19年近くもの間、沢山の皆さまにご愛用いただきましたことを心よりお礼申し上げます。今後とも、BIGLOBEをご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ※引っ越し先ブログへのリダイレクトサービスは2024年1月31日で終了いたしました。 BIGLOBEのサービス一覧
くりりんのブックレビュー&医療と健康 本の評価や紹介をするサイトです。 時々普段の生活でのコメントが入る場合があるけど・・・・ 特に2010年度より健康と医療についてもコメントを増やします。 解決をするよりも有益な情報があれば掲載する形としますので 何かコメントや助言あれば下さい。 ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙/ヨースタイン ゴルデル ¥2,548 Amazon.co.jp 中学生の頃からよく読んでいた哲学者の伝記、高校生の時に学んだ倫理学、当時から物凄くはまってました。やはり私はこの分野がすごく好きなようです。 この本は、『哲学』の本です。作者は、ノルウェー オスロ生まれの高校の教師で、哲学を教えているそうです。初版は1991年です。でもこの本は哲学の本ですからいつの時代の読んでも、古めかしくは感じないはずです。 哲学を分かりやすく解説をしているという範囲を超えて、若い人であ
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