軍用ロボットの過去・現在・未来を詳細に追ったノンフィクション。ロボットだけではなく、無人航空機や非致死性兵器などの最新兵器や研究開発に関するエピソードや事例が満載である。1991年の湾岸戦争は空爆の様子をリアルタイムで映し出し、戦争のイメージを大きく変えた。シュワルツコフ将軍が「ハイテク戦争」と呼び、「コンピュータがなければ、あれだけのことをやり遂げることはできなかった」と言われた戦争である。それから20年。筆者は、変貌を遂げつつある戦争の実態とそこから生じる問題に迫っている。700ページを超える大著で読み終えるのは大変だが、それだけの価値がある。 筆者は国防総省、国務省、CIAなどの顧問も務める米ブルッキングス研究所の研究員。この書評で以前取り上げた「戦争請負会社」の著者でもある。2008年の大統領選ではオバマ陣営の国防戦略を取りまとめたという。米政府の政策に影響を与える人物だけに内容に