安倍氏の改憲論、「力の外交」の幕開けを予告 【特集】大予測! 安倍氏の外交政策(上) 安倍晋三官房長官の人物を評し「性格では父(安倍晋太郎元外相)に、政策では母方の祖父(岸信介元首相)に似ている」という話がある。このことから、物腰はソフトだが、政策方針は冷徹という見方も多い。 来月20日に行われる自民党総裁選挙で、安倍官房長官の当選がほぼ確実視されている、自民党総裁は、そのまま日本の首相を意味する。「安倍政権」の日本はどう進むのか、予測してみよう。 安倍官房長官が理想としているのは、母方の祖父にあたる岸信介だ。本人自ら「美しい人物」と評したこともある。安倍官房長官は、父が選挙のために地方の選挙区に住んでいたため、東京・南平台の岸信介邸で幼少期を送った。 当時の安倍官房長官は毎日、家の前に押し寄せたデモ隊の「安保条約反対」のスローガンを耳にした。また学生時代も、祖父を「戦争狂」 「妖
安倍氏の教育改革哲学の背景には家族史が影響している。安倍家は親子三代続く代議士の家庭。祖父の安倍寛氏(1946年死去)は衆議院議員を歴任した。 「私の父は母親の愛を知らない。常々私に“いつも母親に会いたかった”と話していた」。安倍晋三氏は父の故・安倍晋太郎元外相(1991年死去)をこのように回想する。父は母親(晋三氏の祖母)の顔を知らない。晋太郎氏を産んでしばらくして離婚した母親は他の男性と再婚した。東京で生まれた晋太郎氏は、生後85日で父の故郷の山口県渡場の伯父の家に預けられ、幼少時代を過ごした。 父・晋太郎氏が母の消息を初めて知ったのは、東京帝国大学法科に在学中に学徒兵として招集され、特攻隊を志願した日の夜だった。父の寛氏は晋太郎氏に「お前の母親はもう死んだ。仲は良かったが事情があった」と話したという。この時、特攻隊を志願し死を覚悟した晋太郎氏は、母に対する未練を断ったという。
安倍晋三現官房長官は授業時間をもっと増やし、低下した学力を回復させなければならないと主張する。 安倍氏が「学校間競争」のために導入しようとしているものの一つに「教育バウチャー」制度がある。保護者や生徒に学校選択権を与え、より多くの生徒を集めた学校により多くの予算を配分するという制度だ。つまり実力のある生徒を育成するためには、実力のない学校は淘汰(とうた)されることもあり得るという競争論理に基づく方式だ。 さらに安倍氏は私立学校を含め、全国的に生徒の学力調査を実施し、結果を公表することを提案している。さらに教師免許更新制度を通じ、能力のない教師を淘汰し、学校評価制度を実施して、問題のある学校に対しては強制的に教員を入れ替えたり、民営化させたりする案も提起している。 安倍氏の構想は保育園にも及ぶ。2003年7月には、保育園でも「自由保育」という名のもとに子どもたちを放任していると指摘し、
安倍晋三現官房長官は幼少期、孤独の中で育った。父親が政治家だったため、母方の祖父、岸信介の女秘書が母親役を担った。母のいない家庭に生まれた父、安倍晋太郎もまた叔父の手で育てられた。 名だたる名門一家のプリンス、安倍にとって、「家族」は光であり影だ。「憲法改正」が光を反映するものとしたら、安倍の掲げる「教育改革」はその影の部分を反映したものだ。 著書『美しい国へ』で安倍が主張する、父、母、祖父、祖母、子どもがともに仲良く暮らすことが最高の幸せだという価値観こそ、彼の教育改革の出発点だ。 安倍はかつて自民党内の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」のチーム長を務めたことがある。安倍がこの時に発見したのが「同棲、離婚家庭、母子家庭、同性愛夫婦、犬や猫と一緒に暮らすことも家族」という内容の教科書だった。 安倍は「子どもたちに『正常な』家族モデルを提示するのが教育の
小泉首相は8月15日靖国神社参拝の「公約」を果たし、「有終の美」を飾った。だが、中韓の反発を押し切っての6度目の参拝は両国の反日感情をさらに煮えたぎらせ、東アジア外交はギクシャクしたままだ。 中国では近年、インターネットが民衆の情報収集と意見交換の網となり、国民を一方的に引っ張っていく政府の力が弱化した。去年の、かつてない反日デモはその現れだ。今回、中国政府は紋切り型の外交的抗議をしたものの、反日デモの再発を懸念し、牽制(けんせい)の措置をとった。大規模なデモは起こらず、一見静かだったが、日本にとって必ずしも気を抜ける情勢ではない。 ネットでは二つの気持ちが広がっている。一つは、怒りを通り越して蔓延(まんえん)するあきらめ感。「恥知らずの日本と言い争う必要はない」「日本なんか相手にするな」という態度だ。 二つ目は、「より強硬な姿勢で政府は日本と対決せよ」とする主張で、これが圧倒的に多い。そ
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