東京大学附属図書館と京セラコミュニケーションシステム(本社:京都市、以下KCCS)は、電子情報と実物の本を相互に活用できるハイブリッドな図書館の実現に向け、実証実験を開始した。 具体的には、東京大学附属図書館が独自に電子化した書籍、国立国会図書館近代デジタルライブラリーをはじめとする国内外のデジタルアーカイブで公開されている再利用可能コンテンツ、および新刊学術電子書籍などの間に、有識者の協力を得て有用なリンクを張っていく。例えば文学作品であれば、作品中に登場する場所や作者が影響を受けた文学作品など、リンクをたどることで作品の背景に広がる様々な知識が得られる仕組みだ。紙の書籍では参考文献や脚注などに関連情報を記すが、この実験ではデジタルの特性を活かして、情報をネットワーク化していく。 この実験を通じて両者は、電子書籍のより有効な活用方法を模索するほか、学生の学習意欲や探求心を高める環境づくり