「妊娠したかもしれない」 静岡県の公立中学校の養護教諭・本間江理子さんは、かつて女子生徒からこう相談された。 女子生徒の相手は、年上の少年だった。 本間さんは、保護者も交え相談を重ね、女子生徒はその後、中絶することを選んだ。 県内の中学校では、女子生徒が妊娠し、出産したケースもあったという。 思春期の男女が起こす性のトラブルは深刻なものも少なくない。 日々こうしたトラブルと向き合う先生たちは、学校の性教育に危機感を感じている。 「性交」に関わるトラブルが多いのにもかかわらず、文部科学省が定める学習指導要領に、授業で性交について教えにくい「はどめ規定」があるからだ。 「はどめ規定」とは、一体何なのか?また何のためにできたのか? 「性交」について教えるのを避け、十分な性教育が行われていないと指摘される学校で、先生たちはどんな懸念を募らせているのか。 ■先生たちが感じる性教育の必要性 静岡県の公