1. はじめに 近年の計量経済学と機械学習の融合の成果として CausalImpact パッケージが統計的因果推論の枠組みで用いられている。 Brodersen et al. (2015) が考案した causal impact フレームワークは, Rubin 流の因果推論である Difference in Differences (DID, DD) 推定法DIなどの考え方を踏まえて, ベイズ構造時系列モデルの特性を取り入れているのが特徴である。詳しくは、参考のブログ記事を参照。 2.野生イノシシへの豚熱感染による分布の減少 さて、ここで本題の統計的因果推論による検証 したいデータを紹介する。まずは下記のニュースを見てください。 2018年9月以降、各県で野生イノシシにおける豚熱の感染死亡個体が確認され、全国に拡大している。 豚熱というのは、以前は豚コレラと呼ばれていて、豚とイノシシにとっ