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ブックマーク / www.jstage.jst.go.jp (114)

  • 「正しく整った文字」を書くことは学力に関連するか―2種の漢字採点基準における書き成績と学力との関係の比較―

    研究は小学1~6年生155名を対象に漢字書字課題を行い、正しく整っている/判読可能の2基準で採点し、学力および視覚情報処理能力との関係を検討した。結果、双方の採点基準で学力との相関を認めたが、整った文字は判読可能文字に比して相関係数が有意に高くはならなかった。また文字の正確性や綺麗に書くこと自体が学習となる下学年では整った文字と視知覚および視覚認知の相関が強く、相関は学年が上がると弱くなることから、整った文字を習得する過程では視知覚・認知機能の負荷が高く、上学年で整った文字を書くためには文字の詳細なイメージを思い浮かべる必要性から視覚性ワーキングメモリーへの負荷の高さが示唆された。よって学力を従属変数とした場合に正しく整った文字が書けることの蓋然性は確認されず、文字形態を整える指導に注力することは、発達障害をはじめとする認知機能に個人内差のある児童の学習到達度には好影響とはならない可能性

    abrahamcow
    abrahamcow 2024/10/11
    本文PDFあり
  • 特定少年実名報道への支持と子どもに対する現代的偏見―実名報道目的の媒介効果―

    研究は,2021年の少年法改正により罪を犯した特定少年(18・19歳)の実名報道が解禁されたことを受け,実名報道目的が,子どもに対する現代的偏見と特定少年の実名報道への支持の関連を媒介するというモデルを,2つの研究により検討した。この際,実名報道目的として,刑罰目的に関して作成された尺度・項目を参照・援用し,応報,一般予防,改善更生,隔離を用いた。研究1では,一般的な特定少年についての実名報道への支持を尋ねる一般レベル,研究2では,シナリオで描写される個別の特定少年についての実名報道への支持を尋ねる個別レベルで検討した。研究1(N=427)および研究2(N=446)の分析の結果,一般レベルでは,応報および隔離が子どもに対する現代的偏見と実名報道への支持の関連を媒介することが示された。他方,個別レベルでは,応報と隔離の2つに加え改善更生が子どもに対する現代的偏見と実名報道への支持の関連を媒

  • A new species of the genus <i>Podoceropsis</i> Boeck, 1861 (Crustacea: Amphipoda: Photidae) from Kagoshima Bay, Japan

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    abrahamcow 2024/09/09
    エビの新種
  • 鬼魅の名は

    現在、妖怪には多くの種類が存在するように考えられているが、江戸時代に入るまでは、「鬼」や「天狗」といった限られた怪異のエージェントが想定されているだけで、個別の怪異に名前が与えられることはなかった。その状況が一変するのが十七世紀である。寛永年間(一六二四~一六四四)以降、妖怪の名称が急速に増えていくが、その背景には、怪異に対する認識の変容と、俳諧という新たな文芸の発達があったと考えられる。 江戸時代初期、とりわけ寛永年間には流言としての妖怪が多く見られる。その一つに「髪切虫」があるが、同時代の資料を検討すると、それが一種の凶兆=「恠異」として捉えられていたことが分かる。しかし、「恠異」を判定し、しかるべき対処を行うという中世までの危機管理のシステムは江戸時代においてはすでに機能しなくなっており、怪異は凶兆としての意味を失って、ただそこに在るだけの「モノ」として扱われるようになっていったと考

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    abrahamcow 2024/08/28
    ―近世前期における妖怪の名づけ― 香川 雅信
  • 物性物理と量子計算のための冷却原子入門

    物性系の論文や講演の導入部で「こういった系は最近では冷却原子系で実現できるようになっている」といった文言を目にしたり耳にしたりしたことはないだろうか?人工量子系のなかでも量子多体系を扱うことができる冷却原子系は、物性物理の量子シミュレーションプラットフォームとして多様な研究が進められてきた。理想的な孤立量子系であるということが魅力であったはずの冷却原子系だったが、最近ではその高い制御性を活かして人工的に散逸や観測の効果を導入することで開放量子多体系の量子シミュレーションができることが明らかになり、この点でも注目が集まっている。さらに近年、冷却原子型量子コンピュータプラットフォームが、量子コンピュータハードウエアの有力候補として存在感を増してきているという。集中ゼミでは、冷却原子系とは何か?何ができて何ができないのか?物性物理や量子情報の道に足を踏み入れた私たち学生は、どこまで冷却原子系に

  • 茶祖としての明恵

    稿は、『明恵上人伝記』に載る、明恵が栄西から茶を贈られた説話の読解を目的とする。話の歴史背景を検証するにあたり、従来説では限界があると気づいて、栄西の研究に着手した。文学研究からのアプローチであるものの、仏教学や歴史学に越境する実践であり、近年の寺院調査や学際研究の進展が架け橋となった。そこで得た視点をもとに、改めて『明恵上人伝記』の文を分析し、日の茶の始発を示す伝承の成り立ちと展開を問い直す。

  • Confounder Selection and Sensitivity Analyses to Unmeasured Confounding from Epidemiological and Statistical Perspectives

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    abrahamcow 2024/07/08
    交絡因子の選択 疫学 因果推論 感度分析
  • 虚構を詠う〈猟奇〉

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    abrahamcow 2024/06/28
    夢野久作 批評 短歌
  • スピンはそろう : 強磁性の起源をめぐる理論

    磁石(強磁性体)の中で, 数多くの電子のスピンが同じ方向を向いてそろうのは何故か? この古典的な間に答えるためには, 強い非線形な相互作用を及ぼしあいながら, 複雑に絡み合って量子力学的に運動する多くの電子たちの生み出す物理的なストーリーを読みっとていかなくてはならない. そのような理論的な試みの一つの側面を, Hubbard模型での強磁性の厳密な例を中心に解説する. 学部程度の量子力学の知識だけを前提にして, このテーマのおもしろさと最近の結果を伝えたい.

    abrahamcow
    abrahamcow 2024/05/29
    長岡洋介の名を冠する長岡強磁性
  • 奴隷の「病」としてのノスタルジー

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  • 拡散モデルによる拡散を使用しない異常検知

    生成モデルによる異常検知は,正常画像のみで学習したモデルで,入力画像と再構成画像の差異により異常画像であるかどうかを判断する方法が一般的である.しかし,既存の生成モデルでは再構成画像が不鮮明であったり,元の画像から回転するなどの問題がありパッチベースのモデルや潜在変数空間を使用したモデルに比べて異常検知の性能が劣っている.工業用製品における欠陥品の検出など現実世界の異常検知では,検出対象の物体の向きが同一でないことや,再構成画像が不鮮明なことによる微小な傷の見逃しにより,既存の生成モデルでは異常の検出に失敗することがある. そこで,我々は鮮明な再構成が可能であるDenoising Diffusion Probabilistic Models(DDPM)をベースのモデルとして,異常検知で拡散過程を使用しない方法により,画像データの回転に対して頑健な異常検知を可能にした.研究では工業用製品の

  • 脳卒中発症により急性期病院に入院となった高齢患者の子が抱く思い

    目的:初発脳卒中で急性期病院に入院した高齢患者の子が親の入院中に抱く思いを明らかにする。 方法:急性期病院に入院した65歳以上の初発脳卒中患者の子10名に半構造化面接を行い質的記述的に分析した。 結果:高齢脳卒中患者の子は,親が突然に【脳卒中になったことに衝撃を受ける】思いを抱いていた。親の命が危機にさらされることで改めて【親の生は尊い】とし,親が脳卒中を発症したことや障害を負ったことに【自分にはどうしようもないから心が痛む】と思っていた。それでもやはり,親には脳卒中発症前の【もとの姿を取り戻してほしい】と願い,治療にのぞむ親に対して【子としてできることをしてあげたい】が,障害を負った親と自分の【今後の生活が悩ましい】という思いを抱いていた。 考察:看護師は高齢脳卒中患者の子が抱く思いを理解し,衝撃や苦悩を和らげるとともに,子としての役割を果たせるよう支援することの重要性が示唆された。

    abrahamcow
    abrahamcow 2024/04/17
    親の変化にビビったときに
  • 情報理論における量子情報理論の役割

    近年の情報理論の発展の背景には,量子情報理論の成果がある.稿ではそのような情報理論に対する量子情報理論の影響に注目し,これまで情報理論の発展に対して量子情報理論が果たしてきた役割について解説する.これにより,近年の量子情報理論の成果がその分野内に閉じたものでないことを説明する.

  • 生物多様性と文化へと繋がるバイオインフォマティクス

    稿では、これまで独立に発展を遂げてきた次の3つの領域を組み合わせ、新しい生物学のあり方を模索する:(1)遺伝子を中心としたバイオインフォマティクス解析、(2)生態系における個体や種の情報を扱う生物多様性情報解析、(3)生物たるヒトが生み出した文化情報の解析。従来これらの分野では異なる学術体系に基づいてデータが蓄積されてきたが、近年、分類学におけるDNA情報の利用や、ヒトの文化的形質の起源や進化の研究、人新世における生物多様性の研究から、3つの分野には互いに接点が生じている。しかし、学際的なコミュニティ等を活用してもなお、技術的・概念的な溝を埋めるのは容易ではない。そこで、これら3つの分野の関わりについて、データ連携を中心に、代表的なリソース・研究事例・課題などを俯瞰し、バイオインフォマティクスの研究者を生物多様性情報や文化の情報の世界へと誘いたい。

  • タンパク質の言語モデル

    ここ数年、深層学習に基づく生物配列の解析技術が台頭してきている。稿は、その中でも特に急速に発達しているタンパク質の言語モデル(protein language models: pLMs)に関する総説である。アカデミアはもとより巨大IT企業も研究参画するこの技術は、基盤となるモデル開発がすでに一段落し、多様な生物学的・工学的タスクに対する応用結果が続々と報告されるフェーズに入っている。稿では、最近のpLMsで中心的に用いられるTransformerの内部機構や学習方法、pLMsが獲得した生物学的情報の解析といった基的な事項の解説から始め、配列解析、タンパク質機能予測・機能改変、立体構造予測、そして大規模言語モデルによる機能性タンパク質配列生成まで、実験的検証事例を交え幅広いテーマを紹介する。最後に、今後のpLMs研究が迎えうる展開について、萌芽的結果を踏まえつつ考察したい。

  • COVID-19パンデミック下におけるウイルスゲノム疫学の発展

    ウイルスゲノム疫学とは、ウイルスのゲノム配列情報を用いて感染症の流行動態や伝播経路を把握することで、感染症の制御を目指す分野である。COVID-19パンデミック下において、前例のない規模でゲノム疫学調査が実施されるようになった。このような大規模調査により、ウイルスゲノム配列をリアルタイムにモニタリングすることが可能となり、公衆衛生上リスクの高いウイルス変異株の早期捕捉や、ウイルスの適応度の上昇に寄与するゲノム変異の探索が可能となった。稿ではまずCOVID-19パンデミック下におけるウイルスゲノム疫学の発展について概説し、さらに今後も発生し続けると予想されるウイルス感染症に備えるための課題と展望について議論する。稿がウイルス学と生命情報科学との新たな融合研究のきっかけになれば幸いである。

  • JSBi Bioinformatics Review

    特定非営利活動法人 日バイオインフォマティクス学会では、2020年10月に『JSBi Bioinformatics Review』を創刊しました。 誌は、日バイオインフォマティクス学会が発行するオープンアクセスの日語総説誌です。バイオインフォマティクス分野への新規参入や異分野連携の促進を目的に、バイオインフォマティクス分野の研究動向に関する良質な日語総説論文を発信いたします。生物学や情報科学といった隣接分野の学生や若手研究者など、バイオインフォマティクスに興味を持つ全ての人を対象にしています。 誌は、半年に1回の頻度で発行される年2回刊を予定しております。分野外の方にも楽しんで読んでいただけるものになるよう尽力していきます。末永くよろしくお願い申し上げます。

    abrahamcow
    abrahamcow 2024/03/27
    日本バイオインフォマティクス学会
  • オリイジネズミの分類上の地位について

    An imperfect body with a complete skull of Crocidura dsinezumi orii Kuroda 1924, was found in a stomach of Trimeresurus okinavensis, which was colleced in July, 1960 by Mr. T. Morita and Dr. K. Koba at Yuwandake, Amami-Oshima, Japan. It is the second and unique specimen of orii, because this form has only been known by a type, a skin and an imperfect skull, collected in 1922 and destroyed by fire

  • 書き手の内面の変化に伴う文体の個人内恒常性の崩壊の検証

    文章には書き手の個性が表れ,その個性は大きく変化しないこと(個人内恒常性)が知られている.逆に,メンタルヘルスの異常など書き手の内面の大きな変化が恒常性の崩壊につながることを示せれば,文体的特徴の変化から内面の変化を検出できるようになる可能性がある.特定の個人に対し,内面の大きな変化によって文体的特徴が変化することが示されているが,内面に同じ変化を持つ集団を集めるのは困難であり,統計的には示されていない.研究では,出産は内面に大きな変化を与えると考え,出産経験のある女性らのブログの文体的特徴を調べた.単語の使用率など文章の内容に依存する特徴を用いると,書き手の内面の変化ではなく生活環境の変化を検出してしまう.そこで,非内容語の使用率や品詞のbigramの出現率などの,文章の内容に依存しない特徴を用いた.検証した全ての特徴において,出産を経ることで通常の変動よりも変化することがわかった.

  • 高等学校共通教科「情報」におけるデータサイエンス

    新学習指導要領の共通教科情報において,データサイエンスが新出項目として導入される。情報におけるデータサイエンスの扱いは,「情報Ⅰ」においてはデータの整理や分析,可視化の手法を中心とした内容であり,「情報Ⅱ」においては,機械学習などAIの基礎を学ぶ高度なプログラミングも含まれている。ここでは,共通教科情報と大学の情報教育との接続についてや現場である高等学校における現状について,新学習指導要領および教科書等をもとに考察した。