ブックマーク / erlkonig.hatenablog.com (4)

  • 「アンチミステリーVSアンチファンタジー」の行く先 - 『うみねこのなく頃に』の捉え方について - 魔王14歳の幸福な電波

    かつてミステリーの素人だった竜騎士さんは前作から一年を経て、取り返しがつかないほど理屈を知ってこの世界に戻ってきました。*1 前作『ひぐらしのなく頃に』のミステリー的失敗は、いまや語り草とも言えるありさまで知る人に知れ渡っています。その反省と超克のため、竜騎士さんははミステリーというジャンルに関するひと通り以上の素養を学んだようです。ある種の理論武装をした彼が新シリーズとして発表したのがこの『うみねこのなく頃に』で、この辺の話は第一作公開直後の記事『うみねこのなく頃に』のミステリー・リベンジっぷりに書いたとおりです。 学んだと言っても門外漢である彼はやっぱりどこかズレていて、ミステリーというジャンルの文脈そのものに乗っかって作品を作るということはしてくれません。けれど、『うみねこのなく頃に』がミステリーの文脈をそれなりに理解していなければ決して作ることのできない作品であるのも事実でしょう。

    「アンチミステリーVSアンチファンタジー」の行く先 - 『うみねこのなく頃に』の捉え方について - 魔王14歳の幸福な電波
  • 竜騎士07のミステリーが「本格推理」でない単純な理由 - 魔王14歳の幸福な電波

    格ではない 『うみねこのなく頃に』のミステリー的側面を語るために一点はっきりさせておかなければならないのは、作がある種の定義における「格推理」の論理によっては作られていない、そもそもそれが目指されていないという点です。たしかに作は「プレイヤーが作中の謎に挑む」という構図が採られています。けれど、だから作が「格推理」の文脈で読み解くべきものだと考えるのは早計ですし、その要件を満たしていないから不完全であると批判するのは少々筋違いです。 作が格推理の文脈に当てはまらない点は色々考えられます。でもまず根的なところで、作は「真相の看破に必要な情報は、出題段階で全て明かされなければならない」という格推理の基的な要件*1を構造上まったく満たしません。それを指向してもいません。なぜなら作は「推理→検証→新しい事実の発見→推理→検証→新しい事実の発見→……」という過程を繰り返しな

    竜騎士07のミステリーが「本格推理」でない単純な理由 - 魔王14歳の幸福な電波
    accelerator
    accelerator 2009/01/19
    まだep.4が読み終わらない…
  • 奈須きのこvs竜騎士07、人間関係の「断絶」の正反対な描き方 - 魔王14歳の幸福な電波

    空の境界読んだ感想として。Fateとか月姫はよく知りません。 『ひぐらしのなく頃に』と『空の境界』は両作とも人と人との「断絶」を描いているんですけれど、よく見てみるとその断絶の描き方が正反対であることがわかります。あくまで傾向、の話ではありますけれど、その違いを大雑把に箇条書きすると次のような感じになります。 『空の境界』 会話は抽象的で曖昧だが容易に通じ、お互いの言わんとすることはすぐ理解できる 思想のレベルで互いの価値観は相容れず、両者は対立する他ない 『ひぐらしのなく頃に』 会話はなかなか通じず、すれ違いと誤解が重なってなかなかお互いを理解できない 一度相手の心を理解すれば、質的に相容れないところはないことが分かり仲良くできる 空の境界はある種の思想闘争が描かれた作品です。対立する者同士が交わす言葉は抽象的で、日常生活では使われない特殊な「文脈」に沿っています。でもこのやり取りに

    奈須きのこvs竜騎士07、人間関係の「断絶」の正反対な描き方 - 魔王14歳の幸福な電波
  • 『GUNSLINGER GIRL(9)』 - 魔王14歳の幸福な電波

    前巻前々巻で作品の雰囲気がややポジティブな方向に傾いたのを揺り戻すかのように、「いくら希望があるかのように振る舞っても、義体という業は厳然と存在するのだ」と事実を突きつけてくる第九巻。 今回、義体の研究結果が社会に貢献しているという実例が示されましたけど、これもまたひっどい話ですね。彼らの幸せは彼女らの不幸の上に成り立っているのですとか、それどこの身代わりマリー。彼女らのおかげで幸せそうに笑っていられる子供たちが実際に目の前にいるだけに、余計にタチが悪いのです。義体の存在を肯定するのが偽善なら、否定するのもまた偽善と言われてしまうでしょう。 もしもしも、ガンスリの終わりになんらかの幸せがあるのなら、 彼女らの誰かに子供が生まれるのが見たかった。 この漫画の主人公誰だっけとか思ってるのは私だけじゃない(はず)なんだぜ。 - 米 でも、お米ちゃんの人が言うように、彼女らに担当官以外の救いがある

    『GUNSLINGER GIRL(9)』 - 魔王14歳の幸福な電波
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