短期集中連載:『ウォーハンマーRPG』、ナラトロジー、そして自由 ■0、はじめに ■1、『ウォーハンマーRPG』第2版の構造 (ブログの過去記事をご参照下さい) ■2、仮説:『ウォーハンマーRPG』は『クラシックD&D』(+ミスタラ世界)の正嫡? (ブログの過去記事をご参照下さい) ■3、換喩的想像力とフレーバーテクスト ▼「換喩」とは さて、この「もととなる世界観」が明白な形で、一部だけ『クラシックD&D』の世界観に移植されているというものの見方は、文藝批評の用語では「換喩」と言います。 例えば、大江健三郎の小説には、「評論家の迂藤」という人物が登場しますが、これは『成熟と喪失』という著作で知られる批評家「江藤淳」が元ネタになっています。しかし見ればわかる通り、両者は一字しか違いません。読者は皆、「迂藤」が本当は誰を指すのかをよくわかっているのではないかと思います。 すなわちあからさまに