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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (29)

  • SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書

    qianchong.hatenablog.com こんな記事を読んだ。記事内で当ブログに言及していただいており通知が飛んできたので読んだのだけれども、内容的には「SF映画AI技術系のも大好きなのに、SF小説は最後まで読み通せないものが多い」ということで、なぜなのだろう、老いなのだろうか、と疑問を呈している。率直な感覚が綴られた、良い記事だ。 SFって読み通すのに労力がいるよね SF小説を読んでいる方の人間である僕にとっても「わかる」と頷くところが多い記事だった。SF小説って、ブログ筆者の方も次のように書いているけれど(『SF小説というものは、類まれなる想像力でこれまでに我々が見たことも聞いたこともないような世界を紡ぎ出すところがその真骨頂だと思います。でもおそらく私は、その想像力が紡ぎ出す世界に自らの想像力が追いついていかないのでしょう。』)、想像力が追いつくかどうか以前に「読むのに

    SF小説って読み通すのに労力がいるよね - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2024/07/16
    めんどくさいところは読み飛ばすのはやる。それで意味不明になったら戻ることもあるけれど変に引っかかってもしかたないし。読書はゾーンに入ったもん勝ちだから。それはともかく読みにくい文体が多いのは事実。
  • どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書

    意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く (講談社現代新書) 作者:渡辺正峰講談社AmazonSFの世界ではよく人間の意識をアップロードして肉体の縛りから解放される、「マインドアップロード」と呼ばれる技術が扱われる。実際、人間の意識とはけっきょく脳内の化学的な作用の結果生まれるものであるという立場に立つのであれば、その作用をデジタル上でも機械上でも再現できればそこに「わたし」が宿るはずである。 今はまだSFの中の話にすぎないが、現実でもBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)技術や脳神経科学の進展もあり、徐々に現実味を増してきている──ときて、書『意識の脳科学』はまさにそうした「意識のアップロード」をテーマにした一冊だ。著者の渡辺正峰は神経科学を専門とする東京大学大学院工学系研究科の准教授で、研究だけでなく自身でも意識のアップロードを目指すスタートアップ「MinD in a Dev

    どうやったら連続性を維持したまま意識をアップロードできるのか?──『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2024/07/10
    まず人工的な意識が構築できないとね。
  • 男性が孤独に陥りがちな理由について──『男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償』 - 基本読書

    男はなぜ孤独死するのか 作者:トーマス・ジョイナー晶文社Amazonこの『男はなぜ孤独死するのか』は主に男性の孤独に焦点をあて、なぜ男性は孤独に陥りがちなのか。そして、(人が望まぬ)孤独をどう解消すればよいのかについて書かれた一冊である。「孤独死」というと日では一般的に「一人暮らしの人が誰にも看取られずに死ぬこと」を指すが、書の原題は『Lonely at the Top』で、あくまでも孤独それ自体がテーマであり、孤独死がテーマになっているわけではない。孤独死が良い/悪いという話はないし、家で一人で死ぬことに関する言及もない。 なぜ「男性の孤独」に注目する必要があるのか さて、ではなぜ「男性の孤独」に注目する必要があるのか。孤独に陥るのは何も男性だけの特権ではないのだから、女性も男性もひっくるめて論じればいいではないかと思うかもしれないが、これにはいくつかの理由が存在している。たとえば

    男性が孤独に陥りがちな理由について──『男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2024/06/07
    うちの父もそうだったけど男性の問題はむしろ孤独耐性が低い人が多いことで。強気な父が晩年は寂しさに涙ぐむくらいだったし。そういう意味でも孤独にならない対策よりも孤独耐性をつける対策のほうがまず必要かと。
  • 活版印刷以来の最大の革命を引き起こした、現代のインターネットともいえる「電信」の誕生──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』 - 基本読書

    ヴィクトリア朝時代のインターネット (ハヤカワ文庫NF) 作者:トム スタンデージ早川書房Amazon約200年前の19世紀。科学は未発達で、現在は一般的なものが存在しない時代だ。抗生物質はみつかっていないし(抗生物質は20世紀)、ライト兄弟が飛行を成功させたのも1903年のこと。しかしヴィクトリア朝時代には「インターネット」はあったのだ──というのが、書『ヴィクトリア朝時代のインターネット』の主張である。 いくらなんでもヴィクトリア朝時代(一般的に、ヴィクトリア朝は、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間を指す)にインターネットはないでしょと思うだろうし、実際現在と同じようなインターネットは存在しない。しかし19世紀には「電信」が存在し、それは現在のインターネットと同じものとして機能していた。都市間、国家間にケーブルを張り巡らせることで、今のインターネッ

    活版印刷以来の最大の革命を引き起こした、現代のインターネットともいえる「電信」の誕生──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2024/05/16
    テレグラフはまず腕木通信からだったのか。調べたらセマフォはその後に出てきた固有名詞からきた言葉だった。
  • 『タテの国』の著者による、100年ごとに5万年後の未来までを観測するド真ん中で壮大な規模のSF長篇──『未来経過観測員』 - 基本読書

    未来経過観測員 (角川書店単行) 作者:田中 空KADOKAWAAmazonこの『未来経過観測員』は、縦読みならではの物語を構築し次々と明らかになる世界の真の姿、無限構造の物語を描きだしてみせた漫画『タテの国』や宇宙をさまよい、偶然出会った無人の宇宙船同士で元素を奪い合う闘争を描いた短篇『さいごの宇宙船』など格的なSF漫画を次々と発表してきた田中空のはじめての小説作品だ。 もともと表題作の『未来経過観測員』がカクヨムにて掲載され人気となっていた。書はそこに短篇「ボディーアーマーと夏目漱石」が書き下ろし&追加された一冊になる。もともと『タテの国』などの作品を読んで今どき珍しいぐらいにド直球に「世界の真の姿」「宇宙の果ての果て」、「世界の終わり」に挑みかかるような作家で(そういう意味でいうと、タイプとしては劉慈欣やステープルドンを彷彿とさせる作風ではある)どの漫画もたいへん楽しく読んでい

    『タテの国』の著者による、100年ごとに5万年後の未来までを観測するド真ん中で壮大な規模のSF長篇──『未来経過観測員』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2024/03/26
    遠未来が関わってくる話って子供の頃から好きなんで気になる。
  • 今年(2023年)おもしろかった本を一気に紹介する。 - 基本読書

    今年おもしろかったを一気に紹介します。大きめの書店が次々閉店し、人手不足や配送の問題もあって出版的には厳しい時期が続くがおもしろいは依然として絶えない。あとゲームもいっぱいやったので、だけでなくゲームも合わせて振り返っていこう。いつもは長くても5000文字ぐらいだが、今回は試しに合計1万文字以上書いてみたので、よかったら目次から興味あるやつにとんで読んでみてください。 SFを紹介する キム・スタンリー・ロビンスン『未来省』 N・K・ジェミシン『輝石の空』 ローラン・ビネ『文明交錯』 シーラン・ジェイ・ジャオ『鋼鉄紅女』 ジョン・スコルジー『怪獣保護協会』 『宇宙の果ての屋』 ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』 酉島伝法『奏で手のヌフレツン』 川端裕人『ドードー鳥と孤独鳥』 斜線

    今年(2023年)おもしろかった本を一気に紹介する。 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2023/12/29
    pha さんのまとめと比べると選定の偏りが自分に合うかどうか微妙な感じはあるけど中華SF好きとしては気になるまとめ。
  • 〝唯一真実の治療法〟に覚醒してしまった人たちが、反ワクチンの旗のもとに結集する、トンデモ医療アベンジャーズとでもいうべき傑作ノンフィクション──『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話』 - 基本読書

    リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話:コロナ禍に向かうアメリカ、医療の自由の最果ての旅 作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazonこの『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話:コロナ禍に向かうアメリカ、医療の自由の最果ての旅』は、リバタリアンが集まる自由な町を作ったら、そこは整備も何も行き届かなくなり、自由を目当てにやばい奴らが集まってきたという実話を描き出す『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』の著者マシュー・ホンゴルツ・ヘトリングの最新作である。 タイトルが前作と似ているが、同じ町が舞台など、内容に直接的な繋がりがあるわけではない。ただ、自由を求める人達、自由の旗印のもとに自分たちの意見を強引に押し通そうとする人たちが社会を歪めていった過程を描くという意味では、テーマが連続している。作は、ヒーリング

    〝唯一真実の治療法〟に覚醒してしまった人たちが、反ワクチンの旗のもとに結集する、トンデモ医療アベンジャーズとでもいうべき傑作ノンフィクション──『リバタリアンとトンデモ医療が反ワクチンで手を結ぶ話』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2023/08/21
    これはおもしろそうなんで前作も含めて読みたい。
  • サダム・フセインやポル・ポトのような独裁者は何を食べてきたのか──『独裁者の料理人 厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓』 - 基本読書

    独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と卓 作者:ヴィトルト・シャブウォフスキ白水社Amazonこの『独裁者の料理人』は、その書名通りの一冊である。カンボジアのポル・ポト。イラクのサダム・フセイン。ウガンダの大統領イディ・アミン。アルバニアの首相エンヴェル・ホッジャ。キューバのフィデル・カストロ──。そうした独裁者と呼ばれることもある彼らにかつて仕えた料理人らにインタビューを行い、彼らが何をべ、何を好み、どのようなコミュニケーションをとってきたのかをまとめている。 最初はそんなに期待しないで読み始めたのだけど、これが大変におもしろい! 独裁者は常に暗殺に怯えるものだが、この世でもっとも使い古されてきた暗殺手段の一つは「毒殺」だ。もちろんそんなことは独裁者側だってわかっているから、毒味役もいるし成分検査が行われることだってある。とはいえ、だから料理人が誰であってもいいという話にはなら

    サダム・フセインやポル・ポトのような独裁者は何を食べてきたのか──『独裁者の料理人 厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2023/05/15
    これは読みたい。とくにポル・ポトあたりはいちばん興味があるし。
  • 所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書

    人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念 作者:ブルース・フッド白揚社Amazon人間にとって「所有」とは重要な概念だ。何一つ持たずに暮らしている人などそうそういるはずもないし、年末年始には毎年何を買って(所有して)良かったのかの振り返りが上がる。車や家など、所有がそのまま人生やその人の価値観や立場をあらわすステータス、象徴になるものも多い。所有しているものは自分の一部なのである。 われわれは新しいモノを買って所有しても、次はさらにもっと良いものを所有できないかと考える。その欲求には終わりがない。モノを所有することで、人はそれが奪われたり損なわれたりするのを恐れるようになり、行動に歪みが出ることもある。 モノを所有することで幸せになれると私たちは考える。だがむしろ、所有によってかえって惨めさが増すことも少なくない。富の蓄積にやっきになった一生をふり返り、「ああ、いい人生

    所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2023/01/09
    わたしも物欲多いほうなんで気になる。リタイアしたらいろいろ断捨離したいなと思ってるんだけど現役中は心理的抵抗感がけっこうある感じで。
  • またまた早川書房1600作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書

    早川書房の1600作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にこの規模のセールをやることで知られているが、そのたびにラインナップが異なる。特に、前回のセール時には刊行間もなかった作品なども今回は多数セールに入っているので、今回は主に2022年1月〜以降に刊行されたセール品を中心にオススメを紹介していこう。 Amazon.co.jp: [プライムデー] Kindle最大70%OFF:早川書房タイトル: Kindleストア まずは目玉のSFから紹介していこう。 早川書房公式ページの刊行年月リストから一個一個セールになっているかな……と確認していったのだが(Kindleページの検索機能が劣悪なので)、今回は特に小説が豊作だった印象。たとえば、最初に紹介しておきたいのは春暮康一の『法治の獣』 法治の獣 (ハヤカワ文庫JA

    またまた早川書房1600作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書
  • 宇宙飛行士の著者による、アポロ18号を主軸に据えあり得たかもしれない宇宙開発の歴史を描く宇宙SF──『アポロ18号の殺人』 - 基本読書

    アポロ18号の殺人 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリス ハドフィールド早川書房Amazonこの『アポロ18号の殺人』は、アポロ17号でアポロ計画が終わり、その後宇宙開発が停滞に入ってしまった現代とは異なり、アポロ計画が18号まで持続し、さらに米ソの戦いが宇宙、月でも繰り広げられるようになった「架空の宇宙開発史」を描きだす宇宙SF長編である。近年、長らく停滞していた宇宙開発がコストダウンや民間企業の参入が重なってにわかに盛り上がってきているが、それに呼応するように宇宙SFのヒット作も(たとえば『宇宙へ』『火星へ』など)出始めてきている。 作もいわばそうした流れに連なる宇宙開発ものの作品なわけではあるけれども、他作品と異なる作ならではの特徴は、著者クリス・ハドフィールドが、カナダ出身の引退した宇宙飛行士であるという点だ。しかも、カナダ人としてはじめて宇宙空間で船外活動を行い、2回のスペ

    宇宙飛行士の著者による、アポロ18号を主軸に据えあり得たかもしれない宇宙開発の歴史を描く宇宙SF──『アポロ18号の殺人』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2022/08/16
    2011年に「アポロ18」って低予算SF映画が公開されて評判悪かったんだけど、雰囲気は嫌いじゃなかったんでこれも読んでみたい。
  • 今年も早川書房1500作品が50%割引の超大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書

    早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメを紹介しよう。早川書房は定期的にセールをやるが、1500点級のセールを前回やったのは去年の6月頭なので、年に一回のセールとなる。これ以上安くなることはないと思われるので、この機会に買っておくといいだろう。 https://amzn.to/3n4rZ2Famzn.to 上が対象作品のリストになる。最初は、SFとノンフィクションを中心に、前回のセールには含まれていなかった新作&おもしろかったものを中心に紹介していこう。 まずは目玉商品といえるSF作品から プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonまずは目玉商品から行くが、なんといっても『火星の人』(映画版は『オデッセイ』)の著者であるアンディ・ウィアーによる『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(邦では

    今年も早川書房1500作品が50%割引の超大型電子書籍セールがきたので、SF・ノンフィクション中心にオススメを紹介する - 基本読書
  • コロナ禍になってからたくさんのパンデミックSFが刊行されたので一気に紹介する - 基本読書

    19年末からコロナ禍に入り、3年近い月日が流れている。数多くの変化がそれに伴って起こったが、そのうちのひとつは「パンデミックSF」の刊行が増えたことだ。 パンデミックSFとは、感染症が広まっていく状況を描き出すSF作品のことだが、コロナ以後に企画・執筆された作品はもちろん、それ以前に書かれたいわゆる「予言的な」作品と言われて海を渡ってきたような作品もたくさん翻訳されている。おそらく平時であれば企画が通らなかったものも、こんなときだからいくぞ! と企画が通りやすくなっているのだろう。そのすべてがおもしろいわけではないし、読みすぎて傷気味なところもあるのだが、せっかくなので新型コロナウィルスの影響による刊行かは問わず、2020年以降に刊行されたパンデミック関連SFを一挙紹介してみよう。 予言的なと評された作品 新しい時代への歌 (竹書房文庫) 作者:サラ・ピンスカー竹書房Amazon最もコロ

    コロナ禍になってからたくさんのパンデミックSFが刊行されたので一気に紹介する - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2022/06/22
    震災のときもだけどコロナ禍以降に書かれたものはSFでもSF以外でも現実に引っ張られすぎてる感じがあるからなあ。今回はコロナ禍以前に書かれた作品も紹介されてるからそういう作品は興味あるけど。
  • 頭の中で、日々どのような対話が行われているのか?──『おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考』 - 基本読書

    おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考 作者:チャールズ・ファニーハフみすず書房Amazon多かれ少なかれ、誰もが「頭の中での対話」をしたことがあるはずだ。明日何べようかな〜という問いかけ・対話を通して答えを導き出そうとする対話的思考から、なにかにチャレンジする時に「お前はできるお前はできるお前はできる」と自己暗示のように自分に語りかけることもあるだろう。物語を読んでいるときは、登場人物の声が頭の中で反響している人もいるはずだし、作家ならばなおのことそうだろう。 書『おしゃべりな脳の研究』は、そうした頭の中で鳴り響く声、セルフトークについて書かれた一冊だ。誰もが似たようなことは経験しているとはいえ、それはあくまでも主観的な体験であり、その内実はみな大きく異なっている。内なる言葉が明確に言語化可能な人もいれば、逆にぼんやりとしたイメージのようなものでで言語化不可能な人もいる。内言

    頭の中で、日々どのような対話が行われているのか?──『おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2022/04/19
    内的対話って無意識なのに自分の内的発言に対する応えがぽんぽん返ってくるのが不思議なんだよね。うまく表現しにくいけど夢の中の対話みたいなもので自分自身なのにその発想はなかった的な展開が生まれがち。
  • ハヤカワ文庫JAから700点以上が50%割引の大型セールがきたのでおすすめを紹介する。 - 基本読書

    SFマガジン 2021年 12月号 早川書房Amazon先日から早川書房から刊行されているSFマガジンではハヤカワ文庫JA全解説を3号連続で行っていた。僕も10点ぐらいの作品に解説を書いたのだが、その全解説がおわったこのタイミングで、ハヤカワ文庫JA700点以上の割引セールがやってきた。 amzn.to このセール終了が12月2日なので滑り込なのだが、今回は僕が読了済みの中からオススメの作品を一部紹介してみよう。ハヤカワ文庫JAのラインナップはほとんどがSFやファンタジィで、小川一水の『天冥の標』から伊藤計劃の『虐殺器官』『ハーモニー』といった定番の作品から、この数ヶ月に出たような最新の作品まで幅広く揃っている。ハヤカワ文庫JAは先日出た『異常論文』で総計1500点になり、700点強は(電子書籍がない作品も多いことを考えると)かなりのカバー率となる。 新作・準新作 隷王戦記1 フルースィー

    ハヤカワ文庫JAから700点以上が50%割引の大型セールがきたのでおすすめを紹介する。 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2021/12/01
    JA はかなり古いやつしか読んでないんでこの中だと冲方丁がぎりぎりくらいか。最近の作家も読まないとな。
  • 脳に性差はあるのか?──『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』 - 基本読書

    ジェンダーと脳――性別を超える脳の多様性 作者:ダフナ・ジョエル,ルバ・ヴィハンスキ紀伊國屋書店Amazonこの『ジェンダーと脳』は、よく言われる「男女で脳に性差はあるのか?」というテーマに、神経科学者であるダフナ・ジョエルが向き合った一冊である。 先に結論だけ書いておくと、性差は間違いなくある。たとえば、男性と女性で脳全体の大きさに差があるし、視床下部の中継核の大きさだとか、脳領域の各所や、神経伝達物質にも性差は存在する。ただ、注意しておきたいのは、その差は何十、何百といった脳の平均の差であるということだ。たとえば、男性の方が平均としては大きいとされる脳領域であったとしても、女性で男性の平均を超えているケースもあれば、男性で女性の平均に近いケースもあり、多くの女性と男性の脳は重なり合っている。 つまり、大半の女性と男性では大きさが変わらないのだ。あるいは、その特定の領域は一部の女性で大き

    脳に性差はあるのか?──『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2021/09/06
    性差そのものはもちろんあるけどその他いろいろあるうちのひとつのパラメータでしかないもの。なので違いは雑にクラスタリングされるような行動表現型としてではなくてもっと根源的な言語化しにくい部分だと思う。
  • ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書

    こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:アマル・エル=モータル,マックス・グラッドストン早川書房Amazonこの『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、アマル・エル=モータル、マックス・グラッドスト二人の共作による、詩的な時間SFである。英語圏における小説の長さの基準的にはノヴェラ(中編)で、書も240ページほどとコンパクトだ。 エモエモ往復書簡時間SF 作がぱっと見で凄いのは、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞と賞的な評価が異様に高いところにある。賞の評価がどれほど高かろうが作品の中身の質の保証にはならないわけだけれども、それなりに期待して読み始めたら、これがたしかにおもしろかった。あらすじとしては、《エージェンシー》と《ガーデン》という二大勢力が時空の覇権をかけて争う──といった感じで、何の新鮮味もない。 だが、実際には

    ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2021/06/19
    おもしろそう。それはそうと、昔ほど SF ばかり読んでいるわけじゃないんで新しい作品の作家さん達を体系化できていない。せっかく時間もあるんだしもっと積極的に読まなきゃなあ。
  • 早川書房の1500作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する - 基本読書

    三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメの作品を一部紹介してみよう。早川書房は定期的に電子書籍セールをやるが、前回の大規模なものは確か2020年3月頃の1000点セールだったので、セール対象は増えていることになる。なんと、先日完結したばかりの『三体』も、さすがに完結巻は対象ではないけれども第二部までがセール対象。 amzn.to まずはSFから紹介する。 三体 作者:劉 慈欣早川書房Amazonまずは早川といえばSFということで、SFから紹介してみよう。目を引くのはやっぱり『三体』である。先日三部作全体の紹介を書いたばかりだが、文化大革命からはじまり異種知性とのファースト・コンタクトが描かれる比較的現実路線の一巻。ファースト・コンタクト後、人類最高峰の知性が異種知性に

    早川書房の1500作品が50%割引の大型電子書籍セールがきたのでオススメを紹介する - 基本読書
    aceraceae
    aceraceae 2021/06/03
    でも本気で読みたい本ほど紙の本で買いたくなるんだよなあ。
  • 『1つの定理を証明する99の方法』から『怒りの人類史』まで、最近読んでおもしろかったけれどブログで単独記事にできなかった本をまとめて紹介する

    最近もいろいろ読んでいるけれど、紹介したいけどうまい感じの切り口が思いつかなかったり、おもしろいけど様々な理由で取り上げにくいがたまってきたのでいったんそいつらを紹介してみようと思う。普段ブログには小説でもノンフィクションでも、5〜6冊読んで1冊取り上げるかどうかの割合になので、このブログの背景にはこれぐらいのが存在しているんだな、というのもなんとなく感じてもらえれば。 科学探偵 シャーロック・ホームズ 作者:J オブライエン発売日: 2021/01/21メディア: 単行最初に紹介したいのは、J・オブライエン 『科学探偵 シャーロック・ホームズ』。シャーロック・ホームズは初めての科学探偵という側面も持つ。ホームズの捜査における科学的な側面とはどこにあったのか、化け学の知識はどれぐらいあったのかを原典のエピソードに細かくあたりながら見ていくで、けっこうおもしろい。 たとえばホームズが

    『1つの定理を証明する99の方法』から『怒りの人類史』まで、最近読んでおもしろかったけれどブログで単独記事にできなかった本をまとめて紹介する
    aceraceae
    aceraceae 2021/02/16
    「‟もしも″絶滅した生物が進化し続けたなら ifの地球生命史」と「トポロジカル物質とは何か」は読んでみたいと思っている。地球生命史については個人的には堅実な予想のほうが萎えないと思う。
  • 認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書

    英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860) 作者:今井 むつみ発売日: 2020/12/19メディア: 新書この『英語独習法』は、認知科学や発達心理学を専門とする今井むつみによる、認知科学の観点から考えた最強の英語学習について書かれた一冊である。『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』といったり、多読がそこまで良くはない理由を解説したり、一般的に良しとされる学習法から離れたやり方を語っている。 特徴としては、「何が合理的な学習方法なのか」を披露するだけではなく、「なぜそれが合理的なのか」という根拠を説明しているところにある。だから、これを読んだらなぜ一般的な英単語の学習法(たとえば、英単語と日語の意味を両方セットで暗記していく)が成果を上げないのか、その理屈がわかるはずだ。認知科学のバックボーンから出

    認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』 - 基本読書