2万1897人。去年、みずから命を絶った人の数です。年々減少しているものの、いまだに高い水準です。全国に52か所ある「いのちの電話」は、社会福祉法人が運営し、相談員は全員ボランティアです。24時間365日、自殺を考える人たちの悩みに電話を通して向き合い、これまでに1700万件を超える相談を受けてきました。しかし今、深刻な人手不足に陥っています。なぜ、相談員が減ってしまったのか。取材を進めると、社会の変化が見えてきました。(札幌局 小椋崇広カメラマン、おはよう日本 川上雄三ディレクター)。 年間の自殺者が1000人を超える北海道。 札幌にある「北海道いのちの電話」は、24時間、原則3人態勢で相談を受けています。 相談者のプライバシーを守るため、ふだん外部の人間が立ち入ることはありませんが、今回、特別に取材が許可されました。 訪れたのは深夜。6畳ほどの小さな部屋には、電話を受けるブースが