お前らって本という物体に対してだけ異常に過保護じゃない? そもそもは、「もの」と「こと」の対立に遡ります。対立というか、「もの」のほうが(おそらく)より古くて、遥か遠い昔に、《「もの」世界から「こと」世界の引き離しが起きた》といわれます。ただしこれは実証主義的な歴史学の話ではなく、どちらかといえば、「方法としての古語」や文学史観に近い話です。その上で、《》に記したようなことは、大野晋、福田和也、亀井勝一郎、三島由紀夫などが、それこそ「もののはずみに」控えめに口にしています。 日本の歴史を振り返ってみると、「もの」と「こと」の対立は、仏教公伝(6世紀前半から半ば)に相前後する、廃仏派(物部、中臣)と受容派(蘇我)というかたちがもっとも古い表れでしょう。 いまさらっと僕は物部、モノノベと書きましたが、「へ」「ベ」というのは、古い日本語で「そのあたり」という場所を表す名詞か接尾辞らしいです。それ