米軍がアフガニスタンから撤収し、米同時多発テロ(2001年9月11日)に端を発したアフガン戦争が終結してから30日で1年となった。約20年に及んだ米史上最長の戦争は結局、イスラム主義組織タリバンが復権し、アフガンから12万人以上が脱出するなど混乱の中で幕が閉じた。米国のアフガン政策の評価や今後の課題を米日の識者に聞いた。 第2回は、国際紛争やテロリズムなどが専門の米シンクタンク「ブルッキングス研究所」上席研究員、バンダ・フェルバブブラウン氏。【聞き手・ワシントン鈴木一生】 アフガニスタン戦争が、ガニ政権の崩壊とともにイスラム主義組織タリバンの復権を許して幕引きとなったのは悲惨な結果だった。しかし、駐留米軍を撤収させて戦争を終結させるというバイデン米大統領の決断は正しかった。 米軍の撤収作業の進展とともに各地で支配地域を拡大したタリバンが2021年8月、首都カブールに侵攻する構えを見せると、