「これまで出会い、関わっていただいたすべての方に感謝しています」 泣きっぱなしの8分間だった。中日・田島慎二が10月5日のDeNA戦(バンテリン)で引退登板し、試合後には同僚へのメッセージを織り交ぜた渾身(こんしん)のメッセージにスタンドは握手で包まれた。 マウンドは7回一死。立浪監督からボールを受け取った。「泣くの早いやろ、大丈夫か?」。うなずくので精いっぱいだった。代打・京田陽太のコールで元チームメートとの勝負。お互い泣いていた。 「僕は自分のことで精いっぱいで京田を見る余裕はありませんでした。今年ずっと交わす投球しかできなくて、最後ぐらい力で押すピッチングをしたかったです」 真っすぐ2球で追い込んで、決め球のスプリットで空振り三振を奪い役目を終えた。 ゲーム前、京田と会話したのもいい思い出。「試合出るの?」、「出ないと思います」。京田がDeNA首脳陣に代打を願い出ていたこを試合後に知