中学生ぐらいまで、批評屋が嫌いだった。 映画や小説を批評するのみならず、それでメシを食っている人が嫌いだった。 批評家ではない。他人の創作物に“タダ乗り”してカネを稼いでいるのが批評屋だ。作品に対する感想なら誰にだって書ける。感想は一人ひとり違ってかまわない。にもかかわらず、やつらの感想文はカネになり、自分の感想は2chのサーバで電子の塵くずになるだけ。この落差が理解できなかったし、やつらを卑怯だと思った。嫉妬、嫉妬、嫉妬。とにかく恨めしくて憎たらしくて、死ぬほど羨ましかった。 あの憎悪は、たぶんカネだけが理由じゃない。 きっと、自分の感性が否定されたような気がするから嫌だったのだ。 知識や教養が足りなくて、体力的にも劣っている:そんな人間にとって唯一の心のよりどころは“感性”だ。 (おれは経験不足のガキかも知れないけど、感性だけなら誰にも負けない) (おれはバカかも知れないけれど、感性だ
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