6月22日午前10時、東京・文京区の東京ドームシティホールにおいて、日立製作所の第143回定時株主総会が開催された。その決議事項の第1号議案では、任期満了に伴う取締役13名の選任が行われ、全員が了承された。そのなかに、やや気になる2名の人物が含まれていた。 その2名はいずれも社外監査役で、ひとりは元石川県副知事で元労働省(現厚労省)局長の太田芳枝氏。もう一人は元経済産業事務次官の望月晴文氏。太田氏は再任で、望月氏は新任だ。そして、この2人は「原発マネー」を語る際に、しばしばその名が浮上する人物だった。 住民の反対を抑えた太田芳枝・元石川県副知事 まず太田氏は、1966年に労働省に入省。91年には石川県副知事となる。この際、原発の設置について大きな役割を演じる。当時、北陸電力は志賀(しか)原発2号機建設計画を進めていた。ところが、同原発についてはその耐震設計の安全性や立地における活断層との関