食料獲得のエネルギー効率を図に示した。経済全体のエネルギー効率は現在ではエネルギー投入量当たりのGDPで示されるが(図録4060、4070)、食料獲得が経済の中心だった時代には、人間のエネルギー消費量当たりの獲得食料のエネルギー量がこれに相当していた。 一般に、ここでのエネルギー効率が10を下回ると、その集団の生存は厳しくなると考えられている。何故なら、集団の中には子どもや高齢者など食料獲得に従事しない者がいるし、食料獲得に従事する者であったも労働以外でもエネルギーを消費するからである(大塚柳太郎ほか(2012)「人類生態学第2版」6章)。 西田利貞(2007)のよれば、狩猟採集民であるカラハリ砂漠のサン(ブッシュマン)ではエネルギー効率が狩猟で5、採集で12だという。当然、狩猟だけで暮らしてはいけない。実際、サンの摂取カロリーの60~70%は採集によるものとされる。エネルギーを多消費する