野党転落後、離党する議員が後を絶たない自民党で「政党法」制定論がにわかに浮上してきた。比例代表で当選した議員が新党に移るのを禁じるのが狙いで、与謝野馨元財務相や舛添要一前厚生労働相への当てつけの面が強く、党内の引き締めに苦しむ執行部の焦りの裏返しともいえる。 自民党の党紀委員会は27日、与謝野、舛添両氏の除名処分を決定したが、全会一致にはならなかった。委員の一人は「党則は離党して新党に移ることを想定していない。ルールを作るべきだ」と指摘。大島理森幹事長は記者会見で、政党法制定も視野に「法改正も含めて議論しなければならない」と述べた。 公職選挙法や国会法には、比例代表で既成政党から当選した議員がその後結成された新党に移ることを防ぐ規定がない。大島氏らは政党法でこうした「抜け穴」をふさぎたい考えだが、憲法が保障する「結社の自由」の壁が立ちはだかる。自社さ連立政権時代の94年、政党交付金の創設に