伊勢神宮の鳥居前町にある創業100年を超える老舗料理店「ゑびや」は、営業戦略づくりにAIをフル活用し、2012年からの6年間で売上高を4.8倍に伸ばした。背景には、「勘と経験」に頼らない、徹底したデータにもとづく戦略がある。 文・photo:ライター 五木田勉 伊勢神宮内宮の参道口に続く、おはらいまち通り。雨にもかかわらず、お伊勢参りの観光客は、ひきも切らない。 「5月以降、店の前を通る人が増えています。おそらく令和効果でしょうね」 そう語るのは、1912年に創業した老舗食堂「ゑびや」の代表取締役、小田島春樹さんだ。平成から令和に変わり、御朱印を求めて参拝する観光客が増えているという。 「ゑびや大食堂」と土産物店「ゑびや商店」を営んでいる。2階の事務所に上がると、IT企業のような雰囲気。もとは物置だったが、改装したそうだ。 応接スペースの大型モニターには、店の軒下にあるカメラで撮影した店先