世界中でも日本ではとくに藤色系のバラが人気です。タイ・ベトナムなど東南アジアでも同様と言います。バラは育種家のそれぞれの感性によって創られるものですが、発表にあたっては、愛好者の嗜好も大きな要素です。 日本では藤色系の新品種が続々と登場するたびに人気を集め、とくに2020年と2021年には、多くの品種が発表されました。 これら藤色のバラが目立つのは20年ぶりのこと。西暦2000年ごろには、いくつかの品種が発表され、バラ愛好家のみならず一般の大きな話題になりました。当時の話題の中心は「いかに青いか」ということにあり、育種上は花色から「赤みを抜くこと」が追求されてきました。例えば小林森治氏が通常の交配で創り出した‘青龍(せいりゅう)’‘オンディーナ’‘ターン ブルー’などは、かなり「青い」という評価でした。映画の題名にもなった‘ブルー ヘブン’(河本バラ園)は、2002年に発表されています。2