担い手不足に悩む農業の活性化や地域の盛り上げに一役買えないかと、高砂市の建設業ソネック(曽根町)が新規事業として農業を始めた。昨秋、資材置き場だった同市中筋3にビニールハウスを建てて農場「熱血アグリ事業部。」を立ち上げた。霧状の肥料を根に直接吹きかける栽培方法で、中玉トマト「霧の恵」を育てる。県立農業高校(加古川市)の卒業生らを雇い、働く場の創出という地域貢献も見込む。(中川 恵)

担い手不足に悩む農業の活性化や地域の盛り上げに一役買えないかと、高砂市の建設業ソネック(曽根町)が新規事業として農業を始めた。昨秋、資材置き場だった同市中筋3にビニールハウスを建てて農場「熱血アグリ事業部。」を立ち上げた。霧状の肥料を根に直接吹きかける栽培方法で、中玉トマト「霧の恵」を育てる。県立農業高校(加古川市)の卒業生らを雇い、働く場の創出という地域貢献も見込む。(中川 恵)
兵庫県の明石市漁業組合連合会(市漁連)が、明石沖の海底に放置された釣り具の疑似餌の回収作業に取り組んでいる。4年前から毎年1万個程度を回収しており、今年も1万369個を引き揚げた。市漁連は釣り人らに「海洋ごみになり、漁師らがけがをする危険もあることを忘れないで」と呼びかける。(赤松沙和) 市漁連が回収しているのは、タコ釣りなどに使われるエビやザリガニなどの形をした10センチほどの疑似餌。ほとんどがプラスチック製で、海底のタコを釣るため、鉛の重りや鋭い針が付いている。釣り上げる時に釣り針が海底や障害物に引っかかり、糸が切れてそのまま海に残されたものとみられる。 タコつぼ漁では、漁船のローラーを使って一気に引き揚げるが、ロープなどに絡まった疑似餌が高速で飛んできて、漁師がけがをすることもあった。 そこで、市漁連では2020年から、市内5漁協の漁師から網やロープに掛かった疑似餌を1個50円で買い
赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)で2020年1月、腰の手術中に誤って患者の神経を切断し後遺障害を負わせたとして、兵庫県警捜査1課と赤穂署は22日、業務上過失傷害容疑で、当時脳神経外科に在籍していた40代の男性執刀医と、上司で50代の男性科長を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、執刀医の書類送検容疑は20年1月22日、70代女性患者の腰椎の一部を切除する手術で、出血が多く患部が確認できない状況でドリルを操作。誤って硬膜を傷つけ、神経を巻き込んで切断し両足に重度のまひが残る後遺障害を負わせた疑い。 科長については、上級医として手術の助手を務めていたが、ドリルの操作を中断させたり、十分な止血を指示したりすることを怠った疑いが持たれている。 赤穂市によると、執刀医は19年7月に着任。20年2月までの約8カ月間に携わった手術で、術後に患者が死亡した2件を含む計8件の医療
ニホンジカが高密度で生息する地域では、野生植物が著しく減少しており、生物多様性を保全する上での大きな問題になっています。 ニホンジカは草食性の大型哺乳動物です。北海道から沖縄にかけて広く分布しているほか、中国、ロシアなどの外国にも生息しています。形態などの性質が地域によって異なるため、ニホンジカは複数の亜種に分類されています。例えば、本州に生息する亜種はホンシュウジカと呼ばれています。 ニホンジカは植物の葉や茎、樹皮、果実などを食べて生活しています。このため、ニホンジカの高密度生息地域では山野に生育する野生植物が著しく減少してしまうのです。しかも、近年はこのような地域が急激に増加しています。その結果、ニホンジカの食害による野生植物の減少と生物多様性の喪失が全国的な問題になってしまったのです。また、ニホンジカは農作物を好んで食べるため、農作物被害も全国各地で深刻化しています。 野生植物の減少
神戸市立王子動物園(同市灘区)は1日、飼育していたジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、28歳)が死んだと発表した。人間では100歳近くに相当し、国内最高齢だった。2020年に中国からの借り受け契約がいったん満了したが、新型コロナウイルス禍や、21年に見つかった心疾患の影響で返還が延期に。阪神・淡路大震災の5年後から24年近くを過ごした神戸で最期を迎えた。 3月31日深夜、心肺停止となり心臓マッサージなどの蘇生処置をしたが、同日午後11時56分に死んだことが確認された。心疾患に起因する衰弱死とみられ、詳しい死因は今後調査する。 タンタンは00年7月、日中共同繁殖飼育研究を目的に雄の初代「コウコウ(興興)」と来園。震災で被災した市民を元気づける存在となり、多くのファンに愛された。02年に来園した2代目コウコウとの人工授精に2度成功したが最初は死産で、08年に産んだ赤ちゃんも3日後に死ん
火災の発生を受け、消防隊員が次々と棒につかまって、するりと階下に下りて出動していく。映画やテレビドラマで、こんな場面を見たことのある人は、多いのではないだろうか。その「滑り棒」が、全国の消防署などから姿を消しつつある。なぜ使われなくなっているのか。現状を調べた。(斉藤正志) ■兵庫は加古川が最後か 今も滑り棒があると聞き、兵庫県加古川市加古川町本町の中央消防署に向かった。 2階の事務室の一角。案内してくれた仲宗根浩副署長が、重そうなロッカーを動かすと、チェーンをかけたドアが現れた。 ドアを開けると、そこに銀色の滑り棒があった。 「落ちないように気を付けてください」と仲宗根副署長。滑り棒に手をかけながら下をのぞき込むと、その高さに足がすくんだ。約5メートルはあるという。 事務室の別の場所にも滑り棒があり、こちらはドアの前にコピー機があった。 1階の消防車両用の車庫に向かうと、固定されたロッカ
アニメーション映画・美術家、画家としてスタジオジブリの作品の美術監督などを務めた山本二三(やまもと・にぞう)さんが19日午後1時28分、胃がんのため、埼玉県飯能市の自宅で死去した。70歳。長崎県五島市出身。通夜は26日午後6時から、葬儀・告別式は27日午前11時から、埼玉県飯能市飯能948の3、広域飯能斎場で。喪主は長男鷹生(たかお)氏。 宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」(1986年)や「もののけ姫」(97年)、故・高畑勲監督の「火垂るの墓」(88年)、細田守監督「時をかける少女」(2006年)など大ヒットしたアニメーション映画で美術監督として背景を手がけた。新海誠監督の「天気の子」(19年)では、劇中の絵画を描いた。 立体的で詩情豊かな表現が特徴の雲は「二三雲」と呼ばれ、その独自性を印象づけた。 生まれ故郷の長崎県・福江島など五島列島の景色もライフワークとして描き残した。東日本大震災から
「ピィピィ」「クワッ、クワッ」。田植えを終えた田んぼで、アイガモが鳴き声を上げながら、苗の合間を泳ぎ回っていた。農事組合法人「アイガモの谷口」(兵庫県新温泉町対田)は1991年から、アイガモ農法による無農薬の米作りを続ける。地域の子どもにも農業のやりがいを伝え、持続可能な農業を目指す。(斎藤 誉) 同法人がアイガモ農法を手がけるきっかけとなったのは、代表理事の谷口正友さん(56)の父、雄造さん(90)が90年ごろに肝臓を悪化させたことだった。当時は農薬を使って稲作をしていたが、同じ時期に交通事故で右腕を失う出来事も重なり、健康意識の高まりから無農薬の米作りを模索した。その中で、アイガモも育てられる同農法にたどり着いたという。 同法人は、親ガモが産んだ卵をふ化させ、生後10日ほどの子ガモを田んぼに放す。水田の中を泳ぎ回って水を飲み、水中の小さな虫や微生物を食べて暮らす。 ある日の夕方、同法人
高校分野の解法を使って円周率の新しい求め方を証明した(左から)中山啓太さん、丸尾祐希さん、田中陸人さん、宮本陣弥さんと指導した宮寺良平教諭=西宮市高座町 西宮市立西宮高校(兵庫県西宮市高座町)3年の4人が「三角比の定理」などを用いて証明した「円周率の新しい求め方」が、オーストラリアの大学が発行する数学雑誌に掲載された。授業の一環で取り組んだ。高校までで学ぶ公式などを使って証明することは困難とされており、新たな証明方法として評価された。大学受験と部活に励む生徒たちは「答えのない研究だったが、成果を出せて安心した」と快挙を喜んでいる。(久保田麻依子) メンバーは、同校グローバル・サイエンス科の田中陸人さん(17)▽中山啓太さん(17)▽丸尾祐希さん(17)▽宮本陣弥さん(18)。臨時講師の宮寺良平教諭(67)が指導した。 研究を始めたのは1年生だった2021年9月。身近な疑問を出発点に深く探究
「今日の晩ご飯は団地産のエビを使って、エビフライにしようか」。家庭でこんな会話をする日が、そう遠くない時期にやってくるかもしれない。神戸市垂水区の新多聞団地で、都市再生機構(UR)などが空き室を転用してバナメイエビやヒラメ、カワハギの陸上養殖の実証実験に取り組んでいる。汚水を出さない完全閉鎖型の養殖技術を生かし、増加する空き部屋の有効活用や郊外団地の活性化を目指す。 実験の舞台となっているのは、団地の商業施設などが集まるエリアの一角にある2階建ての建物だ。かつては、クリニック兼住宅として使われていた。 玄関を入ると、クリニック時代に待合室だった部屋に幅約2メートル、奥行き1・5メートルの巨大な水槽が現れる。一部の壁は撤去されたが、間取りはほぼ当時のまま。1階部分(約135平方メートル)に設置された計5基の水槽で、バナメイエビ約千匹と、カワハギとヒラメ約100匹ずつが育てられていた。 実験は
治療法のない腎臓の難病に、有力な薬が見つかった。だが患者は全国に3人しかおらず、商品化する製薬会社が見つからない。治療しなければ若いうちに末期の腎不全になり、人工透析なしでは生きられなくなる。何とか救う手だてはないだろうか-。 ■明確な結果 神戸大教授の野津寛大さん(50)=小児科=らの研究グループが開発したのは「アルポート症候群」の治療薬。マウスによる実験では、投薬された個体は半年たっても1匹も死なないが、投薬しないグループは半数以上が死んだ。「これほど明確な結果はなかなか得られません」と野津さんは強調する。 使用したのは「核酸医薬」と呼ばれる薬だ。個人の遺伝子を詳細に調べて病気の原因となる変異を突き止め、直接働きかける。野津さんらは、重症型のアルポート症候群の変異を軽症型に置き換える手法を開発した。核酸医薬の合成法は確立しており、原因となる遺伝子が分かれば短期間で完成できる。他疾患では
ご飯のお供として愛されてきた梅干しの消費量が激減している。総務省の家庭調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費量は2002年の1053グラムがピークとなり、21年には658グラムとなり約4割減。スーパーで大きめのパックを500グラムとすれば、658グラムはその少し多めのイメージだ。梅干し業界は売り上げ減が続いており、ある業者は「梅干しの倉庫がパンクしていて、多くの商品が行き場のない状況です」と苦境を訴える。 梅干し業界がどのような状況かご存じでしょうか-。1月上旬、ツイッターにそう投稿したのは、和歌山県みなべ町で梅干し製造を行う「梅樹園」。総務省データを例に、19年~21年の年間消費量が1世帯当たり663グラムだったと強調。その上で、梅干しが売れず、保管する倉庫が満杯になって入りきらなくなったと窮状を訴えた。担当者は「1年間に10キロが入る原料樽を2万本ほど加工しています。このままの状
つるが張った緑の中に、パッションフルーツがつややかに実る。ここは南の島? いいえ、冬場は氷点下が当たり前の兵庫県三田市井ノ草。製薬会社勤務、奄美大島移住を経て実家のある三田で新たな地元の味を作り始めた男性がいる。無農薬でさわやかな味わいが人気で、東京のマーケットにも並ぶ逸品になった。 1ヘクタールの農地に野菜を育て、ビニールハウス3棟が立つ「あまくぼ農園」。久保和也さん(40)が畑の主だ。 神戸市灘区出身。六甲山にほど近く、幼い頃から山や沢で遊んだ。小学3年生で三田市あかしあ台に越した。中高は大阪の学校に通っており、「当時は三田が地元という意識はなかった」。大学進学で滋賀県に1人暮らしし、幼少時から好きだった生物や植物を研究。製薬会社に就職し、全国を飛び回った。 結婚し、長男が生まれた。住むのはいつも都市部。10年ほど働くと、自然豊かな場所で暮らしたいとの思いが強まった。ちょうど仕事をやり
兵庫県福崎町の福崎工業団地に工場がある塗料メーカー「ロックペイント」が、古くなった木製パレットなどを粉砕して堆肥化し、工場敷地内の畑で野菜を育てている。この冬、高齢者や障害者らの従業員が初めてジャガイモを収穫し、町内の福祉施設に届けた。 同社は同工業団地に二つの工場を持ち、従業員約50人が働く。うち10人は高齢者や障害者、女性が占める。堆肥化や野菜の栽培は業務の合間に行っている。 同工場では3年前から、不用になった荷役用の木製パレットや植栽の枝くずを砕き、チップを地元の営農組合や特別支援学校の農業実習用などに提供している。持続可能な開発目標(SDGs)や地域貢献をさらに進めようと、敷地内の未使用地100平方メートルに畝を作り、チップや堆肥を活用してジャガイモ、タマネギ、白ネギを育てている。 昨年9月に植えたジャガイモは同12月に収穫期を迎え、昼休み前の約1時間、約10人が手作業で掘り出した
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