ブックマーク / www.tohoku.ac.jp (66)

  • 火炎と爆轟(ばくごう)を理論的につなぐことに成功 安定した超音速燃焼器の実用化に期待

    学研究者情報】 〇流体科学研究所 助教 森井雄飛 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 着火と火炎が同じ構造を持つことを明らかにした理論から、燃焼理論を拡張し、「自着火反応波」を定義しました。 「自着火反応波」により、亜音速のデフラグレーション(火炎)(注1)から超音速のデトネーション(爆轟:ばくごう)(注2)に至る反応波の伝播を理論的に統一しました。 実機サイズの超音速燃焼でも火炎が定常にできることが示され、実用化に向けて大きく前進。 【概要】 近年、二酸化炭素の排出量を削減することを目的に、自動車エンジンなど燃焼器のさらなる高効率化が求められています。燃焼器の高効率化は古くから進められていますが、さらなる高効率化には従来避けられていた消炎条件近傍や爆発する条件近傍などの極限的な条件を採用するか、新たな燃焼形態を探索することが必要です。 燃焼は化学反応が可燃性気体の中を伝播する現象

    火炎と爆轟(ばくごう)を理論的につなぐことに成功 安定した超音速燃焼器の実用化に期待
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    agrisearch 2024/02/07
    「自着火反応波」
  • 非喫煙者に多いEGFR変異肺腺がんへのかかりやすさを解明 肺腺がんの予防・早期発見にむけた手がかりとして期待

    学研究者情報】 〇東北メディカル・メガバンク機構バイオマーカー探索分野 教授 布施昇男 ウェブサイト 【発表のポイント】 日人の肺腺がん患者さん1万7千例の遺伝子を調べ、肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子の個人差を明らかにしました。 これらの遺伝子の個人差は、非喫煙者に発生しやすく、がん細胞の増殖に必要な信号を細胞内に伝える役割を担っているEGFR遺伝子に変異のある肺腺がんのかかりやすさに強くかかわっていました。 遺伝子の個人差の一部は、染色体DNAの末端に存在するテロメア配列を長くすることで、肺腺がんへのかかりやすさを高めることが示唆されました。 これらの発見は、非喫煙者に対する肺腺がんの予防、早期発見に役立つと期待されます。 【概要】 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)研究所ゲノム生物学研究分野 白石航也ユニット長、河野隆志分野長、愛知県が

    非喫煙者に多いEGFR変異肺腺がんへのかかりやすさを解明 肺腺がんの予防・早期発見にむけた手がかりとして期待
  • ニホンヤモリは外来種だった!遺伝子と古文書で解明したヤモリと人の3千年史

    学研究者情報】 〇東北アジア研究センター 教授 千葉聡 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 ニホンヤモリは約3000年前に中国から九州に渡来後、人の移動や物流に便乗して東に分散したことを、ゲノムワイドの変異解析と古文書の記録で推定。 ニホンヤモリの分布拡大パターンは日社会の発展と同調。 現在の生物分布と多様性に、近代以前の人と生物の関係が強く影響。 【概要】 ニホンヤモリは、日民家の"隣人"で家の守り神(家守)として親しまれていますが、中国東部にも分布しており、実は在来種ではなく外来種ではという疑いがもたれてきました。しかし、渡来期も含めその来歴は不明でした。東北大学大学院生命科学研究科博士課程学生の千葉稔氏と東北アジア研究センターの千葉聡教授らのグループは、その日進出の過程を、ゲノムワイドの変異解析と古文書の調査から推定することに成功しました。 ニホンヤモリは、約3000年

    ニホンヤモリは外来種だった!遺伝子と古文書で解明したヤモリと人の3千年史
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    agrisearch 2022/12/02
    「平安時代末までに近畿へ、一部が東海道を東進して江戸後期~明治初期に関東へ、また戦国時代に近畿から北陸に移った系統が江戸時代には、北前船の寄港地として栄えていた酒田へと移住したと推定されました」
  • ビッグバン宇宙を実験室で再現できる理論を構築 トポロジカル物質を使った極限宇宙シミュレータの理論

    学研究者情報】 〇大学院理学研究科 物理学専攻 助教 堀田昌寛 研究者ウェブサイト 〇大学院理学研究科 物理学専攻 教授 遊佐剛 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 トポロジカル物質の一種である量子ホール状態のエッジ(注1)を膨張させることで、ビッグバン宇宙の始まり(注2)で起こる物理を検証できる理論を構築しました。 ホーキング博士らが予言していた、急膨張するインフレーション宇宙(注3)で起こるホーキング輻射(注4)や、宇宙の構造形成(注5)の起源を擬似実験として検証できる可能性も示しました。 これらの手法と理論により、従来の天文観測や大規模加速器実験に頼らない、極限宇宙の新しい検証実験への道が開かれました。 【概要】 ビッグバン宇宙の始まりやブラックホール(注6)を理解するために、量子力学と一般相対性理論の統一を目指した量子重力(注7)に関する理論研究が進められ、それらの理論検証

    ビッグバン宇宙を実験室で再現できる理論を構築 トポロジカル物質を使った極限宇宙シミュレータの理論
  • 東北大学・東京工業大学・総合研究大学院大学・東京理科大学とWiley、日本発の研究成果のオープンアクセス化の促進に関する覚書に署名

    東北大学・東京工業大学・総合研究大学院大学・東京理科大学とWiley、日発の研究成果のオープンアクセス化の促進に関する覚書に署名 【概要】 国立大学法人東北大学、国立大学法人東京工業大学、国立大学法人総合研究大学院大学(総研大)、学校法人東京理科大学の4大学の図書館長と、研究・教育分野をリードするグローバル企業Wiley(日法人:ワイリー・パブリッシング・ジャパン株式会社)は、2022年1月31日付にて、論文のオープンアクセス出版に関する新たな覚書に署名しました。この覚書は、近年世界的に広まっている「転換契約」(transformational agreement、用語1)と呼ばれる、ジャーナル購読モデルからオープンアクセス(OA)出版モデルへの転換を目指す契約を見据えたものであり、日発の研究成果の論文発表におけるオープンアクセス化を一層促進する取り組みとなります。 今回の覚書は、4

    東北大学・東京工業大学・総合研究大学院大学・東京理科大学とWiley、日本発の研究成果のオープンアクセス化の促進に関する覚書に署名
  • 土壌中の休眠微生物・ウイルスが表出するメカニズム解明に期待 ~微生物の発酵によるブラジルナッツ効果の発見~

    学研究者情報】 〇大学院工学研究科 准教授(ディスティングイッシュトリサーチャー) 菊地謙次 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 微生物の発酵時の発泡によるブラジルナッツ効果を発見 水環境において沈殿した粒子が表面上に再浮上するメカニズムを力学的に解明し、可視化に成功 休眠した微生物やウイルスの再興、未知の病原体が表出するメカニズム解明に期待 【概要】 大きさが異なる粉粒体の混合物に振動を与えると、大きな粒子が浮上し、小さい粒子が沈降する物理現象は"ブラジルナッツ効果"として知られていますが、このメカニズムについてはまだ明らかになっておりません。粒子の比重(重さ)や体積(大きさ)、浮力や重力などの物理的な要因によって説明される「粒子の対流」と「粒子の潜り込み」の二つの有力な説が提唱されており、隕石の衝突での微粒子飛散や地震後の土壌液状化現象など非平衡散逸系物理現象として注目されてい

    土壌中の休眠微生物・ウイルスが表出するメカニズム解明に期待 ~微生物の発酵によるブラジルナッツ効果の発見~
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    agrisearch 2021/12/03
    「微生物の発酵によるブラジルナッツ効果の発見」
  • 貝毒原因プランクトンの天敵を発見! ~寄生生物を用いた有毒プランクトン防除に期待~

    学研究者情報】 〇大学院農学研究科 准教授 西谷 豪 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 麻痺性貝毒の原因となる有毒プランクトンの発生により、二枚貝(アサリ、カキ、ホタテガイ等)が毒化し、中毒や水産物の出荷規制等による漁業被害が各地で報告されている。 その有毒プランクトンに寄生して殺藻する寄生生物を日で初めて発見し、それが寄生性渦鞭毛藻の一種であることを明らかにした。 この寄生生物の単離・培養に成功するとともに、現場調査と室内実験により、それが有毒プランクトンに対する高い殺藻効果を持つことを確認した。 さらに研究を進めることで、貝毒の発生・終息の予測、あるいは寄生生物を「生物農薬」として利用する有毒プランクトン防除法の開発への応用が期待される。 【概要】 貝毒とは、主に渦鞭毛藻などの有毒プランクトンを捕した貝が毒を蓄積し、その毒化した貝をべることで起こる中毒である。貝毒が

    貝毒原因プランクトンの天敵を発見! ~寄生生物を用いた有毒プランクトン防除に期待~
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    agrisearch 2021/12/03
    「全国で麻痺性貝毒を引き起こす原因となっている有毒プランクトン(Alexandrium属)に高い寄生性を有する新規の寄生性渦鞭毛藻(Amoebophrya sp.)を大阪湾から日本で初めて発見し、その単離・培養に成功した」
  • 人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜

    学研究者情報】 〇工学研究科 バイオ工学専攻 教授 梅津光央 研究室ウェブサイト 【発表のポイント】 タンパク質の機能設計を人工知能によって効率化する手法を開発 少数の実験データを人工知能に学習させることで、タンパク質の改変に対する機能変化を視覚化 手法により酵素タンパク質の機能が5倍向上 【概要】 バイオ産業の研究開発では、酵素や抗体などの機能性タンパク質を改変し、その機能を向上したいというニーズが広く存在します。しかし、多数の変異体タンパク質を調製し、その中から目的の機能を有するタンパク質を実験によって探し出すという作業には、大きな費用と時間を要します。 東北大学大学院工学研究科の梅津 光央教授、産業技術総合研究所人工知能研究センターの齋藤 裕主任研究員、亀田 倫史主任研究員、理化学研究所革新知能統合研究センターの津田 宏治チームリーダーらの研究グループは、同グループの先行研究で

    人工知能で酵素を自動設計 〜 様々な機能性タンパク質開発の加速に期待 〜
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    agrisearch 2021/12/03
    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートバイオ産業・農業基盤技術」
  • 水/高圧氷の界面に ″新しい水″を発見! 水の奇妙な物性の謎に迫る画期的な成果

    【発表のポイント】 高圧下で水が凍ってできる氷の表面にこれまで知られていなかった水を発見。 新しい水は通常の水とは混ざり合わず、異なる構造を持ち高密度であることを確認。 水の異常物性を説明する"二種類の水"仮説を検証する新たな道を示すだけでなく、機能性材料の生成過程や太陽系天体内部の氷形成過程の解明に貢献する画期的な成果。 【概要】 水は、ありふれた存在ですが、特異な物性を示す奇妙な液体であり、多くの自然現象を支配しています。東北大学金属材料研究所の新家寛正助教、宇田聡教授と北海道大学低温科学研究所、木村勇気准教授、産業技術総合研究所環境創生研究部門の灘浩樹主任研究員と東京大学大学院総合文化研究科先進科学研究機構の羽馬哲也准教授を中心とする研究グループは、室温−20oCに保たれた低温室内で水に高圧を加えることで結晶化する氷IIIを観察し、成長・融解する氷と水の界面に通常の水とは異なる未発見

    水/高圧氷の界面に ″新しい水″を発見! 水の奇妙な物性の謎に迫る画期的な成果
  • 自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える 生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存

    【発表のポイント】 自然界でこれほど多様な生物種が共存できるのはなぜか、「競争強者」が「弱者」を排除してしまわないのはなぜか、生態学の重大な未解決問題を解く理論の提案。 多くの生物(特にオス)に見られる色鮮やかな模様、求愛ダンス、歌、巨大な角など、種内に生じた「ムダの進化」が鍵。 「ムダの進化」によって、異種間の競争の影響が緩和され、その結果、多種の共存が促進されうることを理論的に提示。 種間競争を重視する従来の見方とは対照的な生態系観の提案。 【概要】 生物の装飾や求愛行動などの適応的特徴の進化は、その個体にとっては有利でも、種全体の増殖率への貢献は期待できないことから、種の繁栄にとっては、いうなれば「ムダの進化」です。東北大学大学院生命科学研究科の近藤教授、クイーンズランド大学 山道上級講師のほか、兵庫県立人と自然の博物館、理化学研究所数理創造プログラム、京都大学、千葉大学、琉球大学、

    自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える 生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存
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    agrisearch 2020/07/12
    「「ムダの進化」によって、異種間の競争の影響が緩和され、その結果、多種の共存が促進されうることを理論的に提示」
  • 地下茎は葉の形を変えて地中を伸び進む ドクダミやイネ科の雑草がはびこる仕組みの一端を解明

    【発表のポイント】 地下や地表を横方向に伸びる茎は、葉身のない小さな葉をつけることで、土の中でも旺盛に伸び進めるための適応をしていることがわかった。 横に伸びる茎をもつ植物は、共通して、BOP遺伝子を強く働かせることにより、葉身をもたない小さな葉を形成するという戦略をとっていることが明らかになった。 横に伸びる茎の制御は、作物生産や雑草防除という観点から重要である。 【概要】 ドクダミ、スギナ、イネ科雑草など、しぶとい雑草の多くは地下で伸びる茎(地下茎)を地中に這わせて旺盛に繁殖していますが、地下茎を成り立たせる仕組みは解明されていませんでした。東北大学大学院生命科学研究科の経塚淳子教授と鳥羽大陽助教(研究特任)のグループは、地下で伸びる茎(地下茎)や地表を横に伸びる茎(ほふく茎)につく葉は、葉身をもたない構造に特殊化しており、この性質は土の中を伸びるために重要であることを示しました。葉を

    地下茎は葉の形を変えて地中を伸び進む ドクダミやイネ科の雑草がはびこる仕組みの一端を解明
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    agrisearch 2020/03/31
    2020/1/15 「地下で伸びる茎(地下茎)や地表を横に伸びる茎(ほふく茎)につく葉は、葉身をもたない構造に特殊化しており、この性質は土の中を伸びるために重要であることを示しました」
  • "刺す水"の正体はクラゲの"粘液爆弾"だった! サ... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

    【発表のポイント】 熱帯・亜熱帯の浅海でシュノーケリングを楽しむ人たちの間では、肌に原因不明の痛みを感じる"刺す水(stinging water)"という現象が知られていたが、その原因は不明だった。 その原因が、無害と思われていたサカサクラゲが放出する、毒針を含む粘液であることが分かった。 これは、サカサクラゲの摂戦略と関係していると見られ、これまで知られていなかったまったく新しい生存戦略である。 サカサクラゲが生息する熱帯・亜熱帯の浅い海で泳ぐ人には、肌を露出しないなど、安全な遊泳への注意喚起をする根拠として活用できる発見である。 【概要】 熱帯・亜熱帯の浅海で泳いだ際に肌に感じる原因不明の痛み、"刺す水"の正体が判明しました。東北大学農学研究科のエイムズ シェリル准教授(スミソニアン国立自然史博物館リサーチ・アソシエイトを兼任)の国際的研究チームは、これまで無害と思われていたサカサク

    "刺す水"の正体はクラゲの"粘液爆弾"だった! サ... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
  • ホヤの幼生がオタマジャクシ型になる仕組みを発見 -上皮細胞の「くびれ」を創り出す新しい原理-

    【発表のポイント】 ホヤのオタマジャクシ幼生の「くびれ」は、細胞が胴部と尾部間で明瞭な境界を保ちつつ異なった方向に分裂することによって創られることが明らかになった。 組織、器官、体全体の形づくりの更なる理解につながる。 【概要】 動物の組織や器官は、細胞が適切な位置に配置されることで形成されます。例えば、方向性を持った細胞分裂によって組織が伸長したり、厚さが増加したりすることが知られています。しかし、方向性を持った細胞分裂がそれ以外の形づくりに関与するのかは不明でした。東北大学大学院生命科学研究科附属浅虫海洋生物学教育研究センターの中章貴助教と熊野岳教授は脊索動物門*1に属するマボヤ(Halocynthia roretzi) *2を用い、オタマジャクシ幼生の形が方向性を持った細胞分裂によって創られることを明らかにしました。脊索動物にはオタマジャクシ幼生(あるいは尾芽胚)と呼ばれる時期があ

    ホヤの幼生がオタマジャクシ型になる仕組みを発見 -上皮細胞の「くびれ」を創り出す新しい原理-
  • ペチュニアの花の模様が変化するしくみ ~内在ウイルスの介在を解明~

    国立大学法人東京農工大学大学院農学府生物制御科学専攻 栗山和典(大学院修士課程)、グローバルイノベーション研究院(GIR)特任助教 田原緑、農学研究院生物制御科学部門 森山裕充准教授と福原敏行教授(GIR兼務)、東北大学 高橋英樹教授、北海道大学 金澤章准教授、テキサスA&M大学 Hisashi Koiwa教授(GIR特任教授)の研究グループは、星咲きや覆輪といった2色咲きのペチュニアの花の模様が変化するしくみを解明しました。この花の模様の変化は、ペチュニアのゲノムに内在し普段は増殖しないウイルスが、植物体の老化やストレスにより活性化し増殖することが原因であることを突き止めました。成果により、今後、作物や花の安定生産や、内在ウイルスを利用し花色を自由に変えられるような新品種の開発が期待されます。

    ペチュニアの花の模様が変化するしくみ ~内在ウイルスの介在を解明~
  • 世界のダイコン500品種のゲノム情報を公開

    【発表のポイント】 世界で広く栽培され、根の形、大きさ、色、成分などの点で多様な特徴を持つ500を超えるダイコンの品種のDNAを分析し、染色体全体に渡って異なる部分(SNP:一塩基多型。ゲノム情報の一つ)を明らかにした。 大量のSNP情報を使った系統解析により、世界中に分布するダイコンは、栽培地域と関連して大きく4つのグループに分かれ、日のグループは独自の一つのグループを形成することが分かった。 膨大な品種間のSNP情報は、多様な特徴を決める遺伝子の同定やゲノム情報を利用した育種(品種開発)の加速に繋がることが期待される。 【概要】 ダイコンの品種開発を加速するためにはゲノム情報の基盤整備を進める必要があります。2014年にダイコンのゲノム塩基配列情報を世界に先駆けて発表したのに続き、ゲノム情報を高度化するため、東北大学大学院農学研究科を中心に、千葉県のかずさDNA研究所と農業・品産業

    世界のダイコン500品種のゲノム情報を公開
  • 菌類が決断・記憶能力を持つことを発見 脳・神経系を持たない微生物の知能

    【発表のポイント】 菌類の菌糸体が新しい木片(エサ)を見つけたときに、新しい木片に引っ越すか元の木片にとどまるかを、新しい木片の大きさで決断していることを発見した。 菌類の菌糸体が新たに見つけた木片の方向を記憶していることもわかった。 脳も神経系も持たないカビ状の菌類の菌糸体がもつ知性のメカニズムを解明することは、知性の進化的起源の解明や、生態系の物質循環の理解に役立つと考えられる。 【概要】 東北大学大学院農学研究科の深澤遊助教と英国カーディフ大学のLynne Boddy(リン ボッディ)教授らは、木片から土壌中に伸びた菌類の菌糸体が新たな木片を見つけたときに、その木片に完全に引っ越すか、もとの木片にとどまるかを、新しい木片の大きさによって決断していること、新しい木片の方向を記憶する能力があることを発見しました。 研究成果は2019年10月19日(土)に微生物生態学の国際誌「The I

    菌類が決断・記憶能力を持つことを発見 脳・神経系を持たない微生物の知能
  • 根粒菌とマメ科植物のせめぎ合いのメカニズム ~根... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-

    【発表のポイント】 長年未解明だった特定のダイズ品種と特定の根粒菌株が共生できない現象(共生不和合性:注1)は、根粒菌の3型分泌タンパク質(注2)の一つであるNopP(ノップピー)のアミノ酸変異が原因であることを発見しました。 微生物への植物の免疫系や根粒菌の共進化機構の解明とマメ科作物の持続的栽培における根粒菌利用への貢献が期待されます。 【概要】 根粒菌はマメ科植物の根に根粒を形成し、共生窒素固定を行う土壌細菌で、窒素循環の上で大変重要な位置を占めています。しかし、特定のダイズ品種と特定の根粒菌株が共生できない現象(共生不和合)が知られており、そのメカニズムは未解明のままでした。 東北大学大学院生命科学研究科の菅原助教と南澤教授らのグループは、農業・品産業技術総合研究機構の梅原洋佐 上級研究員、鹿児島大学の鶴丸博人 助教、九州大学の山川武夫 准教授と共同で、共生不和合の仕組みを報告し

    根粒菌とマメ科植物のせめぎ合いのメカニズム ~根... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
  • 「レプトスピラ」細菌の運動の仕組みを解明 ~レプトスピラ感染症の発症機構の解明に役立つと期待~

    【発表のポイント】 「レプトスピラ(1)」という細菌は、らせん形の菌体を"ネジ"のように回して水中を泳ぎ、固体表面に貼りつくと"ドリル戦車"のように這いまわります。 研究では、レプトスピラの「水陸両用」ともいえる運動の仕組みを明らかにし、2種類の運動をスムーズに切り替える機構のモデルを提案しました。 レプトスピラは、野生動物、家畜、ペットの腎臓に棲みつき、人に感染すると黄疸や腎不全などを引き起こします。成果は症の発症メカニズムの解明、予防法の開発につながると期待されます。 【概要】 東北大学の田原孟氏(当時・大学院生)と中村修一助教らは、国立感染症研究所、大阪大学などと共同で、光学顕微鏡を用いた詳しい細胞運動解析により、「レプトスピラ」という運動性細菌の菌体表面における分子の動きなどを定量的に解析することに成功しました。その結果、接着性の分子が菌体表面を自由に動き回ることにより、スイ

    「レプトスピラ」細菌の運動の仕組みを解明 ~レプトスピラ感染症の発症機構の解明に役立つと期待~
  • ラン科植物サギソウにおける緑花変異の原因遺伝子特定

    【発表のポイント】 ラン科植物の花は「唇弁」や「ずい柱」など特徴的な花器官を有している。これらの花器官形成は興味深いテーマだが、非モデル植物であるため分子機構を明らかにするのは困難であった。 研究ではラン科植物サギソウの緑花変異品種'緑星'を用いて、様々な花器官形成遺伝子の構造と発現を解析することにより、原因遺伝子を特定することに成功した。 研究成果により、ラン科植物の緑花品種の開発などに繋がると期待される。 【概要】 東北大学大学院生命科学研究科大学院生の三苫舞、同大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授は、ラン科植物サギソウの緑花変異品種'緑星'を用い、この緑花変異が花器官形成遺伝子の一つEクラス遺伝子1)の機能欠損によって引き起こされることを明らかにし、またEクラス遺伝子がラン科植物特有の花器官である「ずい柱」の形成に重要であることを明らかにしました。研究はラン科植物の花器官形成

    ラン科植物サギソウにおける緑花変異の原因遺伝子特定
  • 浅い湖沼では光が減ると水質が悪化する~湖底の水草と水中の植物プランクトンの予想外な関係が判明~

    【ポイント】 植物の成長は光に依存しているため、光量が減ると植物プランクトン量も減ると予想されていたが、予想に反し、光量減少はむしろ植物プランクトンを増やし水質を悪化させることが判った。これは、浅い湖沼で光が減ると、競争者である水草が減少して栄養が使われなくなり、植物プランクトンの成長が増加するためである。 光環境の変化に対する生態系の反応については、学術的知見が乏しいが、研究は、光環境の変化が生物間相互作用を介して湖沼生態系に大きな影響を与えることを、野外実験により初めて実証した。 研究成果は、光の変化に対して生態系がどのように反応するか、という生態学の大きな問題を解く手がかりを発見したものであり、太陽光を遮って有害な藻類を減少させたり、水上太陽光発電を行ったりする際には、生物間相互作用への影響を十分に考慮せねばならないことを示している。 【概要】 太陽光は、光合成を通して生態系を維

    浅い湖沼では光が減ると水質が悪化する~湖底の水草と水中の植物プランクトンの予想外な関係が判明~