一休「ふむ…。この虎、どこぞの術師が仕掛けたものでしょう」 将軍「…なぬ?」 一休「まずはこやつを屏風から出さねば話は始まりませんな。恐れながら、髪の毛を一本いただきたい」 言うが早いか、一休、将軍の頭から目にも留まらぬ早さで毛を一本抜き取り、印を結んで呪文を唱え、毛を屏風の前にふうと吹き飛ばす。毛は、みるみるうちに将軍と同じ姿をした「何か」に変わり。屏風、ガタガタと揺れだし、中から虎が出現。将軍の形をしたソレに襲い掛かる。 (本物の)将軍「ぎゃーーっ」 ◎ 立て札「このはしわたるべからず」 : 一休「ふむ…。橋を渡らねば対岸に行けぬ。しかし橋は渡れないという。…渡れないなら、飛べばよいか」 一休、懐から紙片を取り出し、印を結んで呪文を唱える。紙片、たちまち巨大な鷲に。一休が鷲に颯爽と飛び乗ると、鷲は舞い上がり、川も橋もやすやすと越え対岸へ。桔梗屋の上をぐるりと一回りして門前に降りる。一部