今から約50年後、太陽系から遠く離れた場所にある惑星に(それはもうひとつの地球かもしれない)、地球人が造った切手サイズの探査機が訪れる――。 そんなSF小説のような夢を叶えるかもしれない人工衛星が、2017年6月23日に打ち上げられた。 質量が数百kgほどの小型衛星や、それより小さな数kgしかない超小型衛星でさえ、今ではもうすっかり珍しいものではなくなった。しかし、このとき打ち上げられた「スプライト」(Sprite)と名づけられたこの衛星は、3.5cm四方の正方形をしており、質量はわずか4gしかない、世界最小・最軽量の人工衛星である。 そして7月26日、スプライトと地球との通信に成功し、世界最小の衛星が宇宙できちんと機能することが実証された。 スプライトのような超々小型衛星は、今はまだ「いかに小さな衛星が造れるか」という技術的な挑戦という面が強い。しかしいずれは、数g単位の衛星ならではの利