日本医師会(日医)は17日、死亡した子ども全員を対象にコンピューター断層撮影(CT)などを使った死因究明の実施を求める報告書を公表した。子どもへの虐待の有無を判断する狙いで、厚生労働省などに要望していく。 こうした死因究明は「死亡時画像診断」(Ai)と呼ばれる。Aiにより、体の表面を見ただけでは分からない体内の異状を解剖せずに診断でき、正確な死因究明の手がかりとなる。救急救命医療が舞台で、映画化された小説「ジェネラル・ルージュの凱旋(がいせん)」(宝島社)には、Aiによって児童虐待が判明した場面が描かれている。 報告書は「我が国の死因究明が十分でないことは明らか」と指摘。親が解剖を拒否して死因が究明されないケースが多い子ども全員にAiの実施を求めている。 心肺停止状態で救急搬送された患者も、ほとんど体表のみを調べて死体検案書が出されているためAiの対象とするよう主張している。現場の医