ロシアに侵攻されたウクライナ南東部の都市マリウポリに、日本人アーティストが市民と作り上げた「平和の象徴」の壁画がある。深刻な人道危機が起きているが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の情報などによると、壁画は破壊されずにいる模様だ。現地の知人からは「ぜひまた描きに来てほしい」との声も届き、絵を通じて生まれた絆を胸に、仲間たちの無事を祈り続けている。 ミヤザキケンスケさんはケニアやハイチなどで子供らと壁画を描くなど、言葉の壁を越えた異文化交流を重ねてきた。マリウポリには2017年夏、国連難民高等弁務官事務所と協力して3週間滞在し、市郊外の学校で11メートル四方の巨大な壁をキャンバスにして、作品作りに臨んだ。現在は日本国内で活動している。 歓迎してくれた市民たち 壁にはその3年前に始まった紛争でつけられた弾痕が生々しく残っていたが、そこに足場を組んで、地元の子供たちや市民と制作を