『マイ・ビューティフル・デイズ』を見てきた。カリフォルニアの高校で演劇をしている生徒たちと教員を描いた青春ものである。 www.youtube.com 主人公であるスティーヴンズ先生(リリー・レーブ)は、独白コンテストに出場する生徒たちを車で引率することになる。メンバーは優等生で仕切りが上手なマーゴ(リリ・ラインハート )、才能豊かだが精神不安定で行動障害の薬をのんでいるビリー(ティモシー・シャラメ)、ゲイで感じの良いサム(アンソニー・キンタル)の3人である。それぞれ個性的な生徒たちだが、ビリーは所謂スクールボーイクラッシュでスティーヴンズ先生に夢中である。若くて不慣れなところもあるスティーヴンズ先生のもとで、はたしてコンテストは無事に終わるのか… これ、私は勘違いしていて高校演劇部の話だと思って見に行ったのだが、演劇部どころか、芸術予算がカットされたせいで学校演劇ができなくなり、演劇が好
Motion Picture Production Code (Hays Code), cover of a paper copy.(wikipedia Commonsより) ハリウッド映画には「プレコード・ハリウッド」という分類があります。これはトーキーが始まった1929年~1930年頃から、通称「ヘイズ・コード」ことモーション・ピクチャー・プロダクション・コードが厳密に施行されるようになる1934年の7月頃までのハリウッドを指しています。 ヘイズ・コードは保守的・道徳的な見地からハリウッド映画の内容を規制する決まりで、このコードが遵守されるようになる前と後ではハリウッド映画の描写にかなりの違いがあります。 ハリウッド映画史を考える上では重要なヘイズ・コードですが、なんとなく「エロや暴力を規制するお堅い決まり」というようなイメージで受け取られており、実際にどんなものだったのかについて詳し
こまばアゴラ劇場でムニ『ことばにない 前編』を見てきた。宮崎玲奈作・演出で、前編だけで4時間半(休憩2回)という大作である。 主人公は演劇をやっている朝美(豊島晴香)、ゆず(ワタナベミノリ)、かのこ(巻島みのり)、美緒(浦田すみれ)が主人公だ。朝美は結婚を控えているが、婚約者から演劇活動をあまり良く思われていない。ゆずは父親が病気で手術を受けることになる。レズビアンのみのりは恋人の花苗(和田華子)が心の病気で、かなり具合が悪いこともあるのを気にかけている。この4人は学校時代に演劇部だったのだが、顧問だった山川先生が亡くなってしまい、遺品として息子の雄也(黒澤多生)から山川作の戯曲が送られてくる。山川先生はその戯曲をかつての教え子たちに上演してほしいと考えていたらしいのだが、この作品は山川先生がレズビアンだったということを書いたものだった。山川先生の姪である美由(田島冴香)は保守派のアンチL
『アルプススタンドのはしの方』を見てきた。高校演劇で賞をとった戯曲の映画化である。元の舞台は未見である。 www.youtube.com もともとが高校演劇の戯曲ということで、短い作品だ。演劇部のあすは(小野莉奈)とひかる(西本まりん)、元野球部の藤野(平井亜門)、優等生の宮下(中村守里)を中心に、高校野球の観戦をしながらいろいろな人間関係が浮き彫りになっていくというような会話劇である。試合の様子は一切映らず、この4人と数名の他の生徒や教員のやりとりだけで展開する。 非常によくできた台本で、演技などもしっかりしてまとまりのある映画なのだが、私は個人的な趣味として全く好きになれなかった。というのも、この作品は高校生が強制的に高校野球を見に行かされることを「良いこと」として正当化する話だからである。あすはとひかるは全く高校野球に興味がないのに学校の命令で観戦させられており、最初の部分ではそうし
ドリームワークスのアニメ作品であるピエール・ペリフェル監督『バッドガイズ』を見てきた。 www.youtube.com だいたい人間ばかりの社会の中にぽつぽつ動物のキャラクター(しかも多くはあんまり好かれていない感じの動物)がいるという世界観で展開するアニメである。ウルフ(サム・ロックウェル)、スネーク(マーク・マロン)、ピラニア(アンソニー・ラモス)、シャーク(クレイグ・ロビンソン)、タランチュラ(オークワフィナ)はみんな嫌われ者の動物たちで、アウトサイダー同士で組んだ窃盗団「バッドガイズ」として悪名高かった。ところがひょんなことから全員つかまってしまい、ウルフが刑務所行きを逃れるために行った策略の結果、バッドガイズはモルモットで慈善家として有名なマーマレード教授(リチャード・アイオアディ)のところで善良になるためのトレーニングを受けるが… たぶんクエンティン・タランティーノの映画などを
『長ぐつをはいたネコと9つの命』を見てきた。『シュレック』フランチャイズの新作で、2011年の『長ぐつをはいたネコ』の続編である。 www.youtube.com 長ぐつをはいたネコことプス(アントニオ・バンデラス)は無鉄砲な暮らしぶりがたたってネコが持つ9つの命のうち8つを失ってしまった。ドクターストップをかけられ、自分の命を狙っているらしい怪しいオオカミ(ワグネル・モウラ)にもつけ回され、不安になったプスは捨て猫を保護している家に転がり込む。そこでネコのふりをしている名前のない犬である通称「ワンコ」(ハーヴィ・ギイェン)に出会うが、ひょんなことから願いがかなうという願い星を探しに行くことになる。プスはワンコとかつての恋人キティ(サルマ・ハエック・ピノー)とともに願い星を探しに出かけるが、さまざまなライバルが願い星を狙っていた。 かわいいキャラクターが登場し、子どもも見られるアニメ映画に
死ぬのを恐れて、生きることができない。 おもひでぽろぽろ主題歌『愛は花、君はその種子』より 原曲『The Rose』/日本語訳詞は高畑勲によるもの◆エンディングをめぐる解釈 『おもひでぽろぽろ』は"鏡"のような映画にするつもりだった、と高畑勲は語っている。(ジブリの教科書『おもひでぽろぽろ』「反響の大きかった映画/意見の分かれたラストシーン」より)この作品について語ろうとするとき、人々は作品に批評めいたことを言いつつも、その実、自分の人生や価値観を語らざるを得ないのだと。 原作の『おもひでぽろぽろ』が持っている構造をそのまま映画で生かそうとしたこの試みは、ある程度成功をした。誤算だったのは、監督自身が「結論としてはぼくの作り方が下手だった」と振り返るエンディングの受け止められ方だ。 宮崎駿 観終わった途端に『ああ、もうとうとう崖っ渕まで来たな』っていうね、『これ以上やっちゃ駄目だ、これはも
(CNN) ウガンダの議会でこのほど、自身が性的少数者であることを認めること自体に最大10年の禁錮刑を科す「反同性愛法案」が可決された。 ウガンダではもともと同性愛行為が禁止されている。新たな法案では同性愛の助長、扇動、同性愛行為の共謀なども刑罰の対象に加わった。 野党の政治家が、同国の「法的、宗教的、伝統的な家族観」を「無節操な性を普及させる恐れのある行為」から守るためとして、法案を提出した。 一方で反対派の議員は、「世界と地域の人権基準に反する」「性的少数者の基本的人権が不当に制限される」と主張していた。 国際人権NGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の研究者は今月、この法案について「人々がありのままでいること自体を犯罪とみなし、現状以上にプライバシーの権利や言論、結社の自由を侵害する」内容だと批判。政治家らに対し、支持を得るために性的少数者を標的にするのはやめるべきだと主張し
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