■「アバター」はなぜ惨敗したのか ジェームズ・キャメロン監督(55)が長年構想を温めていた3D超大作映画は最多9部門にノミネート。とくに主要な作品、監督の両賞では本命視されていた。 ところがフタを開けてみれば、元妻のキャスリン・ビグロー監督(58)の「ハート・ロッカー」がその2つの賞を含む6部門制覇で圧勝。これはどうしたことか。 垣井氏は「批評家からすると予想通りの結果。というのも、『アバター』は脚本賞でノミネートすらされなかった。ということは、技術的にはすごいが内容的に弱かったということ」と話す。 作品賞や監督賞は総合力での勝負。脚本賞を獲った「ハート・ロッカー」にはもともと大差をつけられていたのだ。 「『アバター』に出てくるエイリアンはアメリカの先住民を連想させる。アメリカ人、とりわけ白人にとっては、あまりうれしくない歴史を焼きなおされているような気もしたのではないか」 ■サンドラ・ブ