スウィートなメロディをあきらめなくても、革新的なソングライティングは可能である。作曲家バート・バカラックが歩んできた道のりは、このことを証明し続けた歴史であった。 1928年生まれのバート・バカラックは、42年生まれのポール・マッカートニーのようなロックンロール・エイジではない。彼が若かりし頃に夢中になったのは、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーらが演奏していた、ビ・バップと呼ばれるモダン・ジャズの原型であった。そして、それと同時にドビュッシーやラヴェルなどのフランス印象派によるクラシック音楽も、彼は愛した。このような彼の音楽的嗜好性は、40年代のジャズ・ミュージシャンの問題意識、つまりスウィング・ジャズのマンネリズムをいかにして打破し、塗り替えていくか、という探究心と同調したものだともいえる。たとえば40年代に活躍したジャズ・オーケストラであるスタン・ケントン楽団は、積極的に近代
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