火の賜物―ヒトは料理で進化した [著]リチャード・ランガム[掲載]2010年4月4日[評者]辻篤子(本社論説委員)■料理の発明がもたらしたものは ヒトはどうやってヒトになったのか。 生物人類学者で、ウガンダでのチンパンジー研究計画のリーダーでもある著者によれば、科学が示すこの問いへの新しい答えはずばり、「火の使用と料理の発明」だという。 有力な学説である「ハンター説」は、肉食の開始で狩りをするようになり、そのために知性などヒト特有の能力が発達した、とする。 しかし、肉を食べても、生のままだと体にはなかなか吸収されない。料理することによって初めて、消化されやすくなる。そうしてため込まれた大量のエネルギーこそが脳には不可欠で、これによって大きな脳への進化に道が開かれた、というわけだ。 こうして今から約180万年前、現代人の祖先とされる原人ホモ・エレクトスが登場した。 料理された食物に適応し、口
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