関西の人は納豆が苦手というイメージを持つ人もいるかもしれません。 しかし、かつて「納豆ダイエット」がテレビ番組に取り上げられ、さらにその内容が捏造であったと判明したとき、大阪出身の亀田興毅さんが「納豆は好物。納豆のせいにされて、かわいそうや」と擁護のコメントをしたことが報じられました。また、同じく大阪出身の和田アキ子さんも2008年に全国納豆協同組合連合会の選ぶ「納豆クイーン」に選ばれ、アツい納豆愛をPRした、なんてことも。「納豆=関西人が嫌い」という認識は、すでに古いのかもしれません。 もはや「ニッポンの国民食」といえる納豆。でも、「実は、日本だけのものではない」と聞けば驚く人が多いのではないでしょうか。 海外の納豆事情を記し話題となっている書籍『謎のアジア納豆』。本書の著者であるノンフィクション作家の高野秀行さんは、ミャンマーやタイの反政府ゲリラを取材するうち、地元の人々が納豆を食べて
著者: 高野秀行 辺境作家が新たに追い求めたテーマは、納豆!? タイやミャンマーで食される〈アジア納豆〉を探し、たどりついたのは日本の納豆に秘められた謎。「考える人」人気連載から生まれた、知的好奇心にあふれた「納豆をめぐる冒険の書」の刊行を記念して「プロローグ」を一挙掲載! プロローグ 日本は納豆後進国なのか? 辺境の旅ではときおり“奇跡”としか言いようのない出来事に遭遇する。 十四年前のあのときもそうだった。私は森清というカメラマンと一緒に、ミャンマー(ビルマ)北部カチン州のジャングルを歩いていた。カチン独立軍という反政府少数民族ゲリラの協力を得て、中国の国境からインド国境まで旅をしようとしたのだ。 中国国境に近いカチン軍の拠点から歩き始めて二日目。不慣れなジャングル・ウォークにヘトヘトになった私たちは、密林が途切れた平原にある小さな村にたどり着いた。カチン軍の将校二人と高床式の民家にあ
高野 秀行の最新刊は、固定観念の外側を探検する。テーマはずばり、納豆とは何か? ともすればアカデミックに着地してもおかしくないテーマを、おなじみ高野流の足取りで核心へと迫っていく。このアプローチをアカデミック界の鬼才は、どのように評したのか? 昨夏『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で魔球対決を繰り広げた清水 克行氏に、本書のレビューを寄稿いただきました。(HONZ編集部) 私自身もそうだが、東日本に生まれ育った者ならば、誰しも納豆については、大なり小なり一家言あるのではないだろうか。関西の知人から納豆はダメだという話を聞くたびに、心の中の優越感を隠し切れないし、たまに外国人で納豆が食べられるという人に出会うと、「なかなかやるじゃないか」と、急に親しみを覚えたりする。その根底には、あのニオイとネバリの良さが、そう簡単によそ者にわかってたまるか、という思いがある。納豆はクセがあるだけに、他
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く