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ブックマーク / hiroyukikojima.hatenablog.com (13)

  • 数学の未解決問題は、今と昔でどう違うか - hiroyukikojima’s blog

    今回のエントリーは、雑誌『現代思想』青土社の増刊号『未解決問題集』について。これは、現代における数学界の未解決問題について、特集を組んだものだ。 現代思想 2016年10月臨時増刊号 総特集◎未解決問題集[/雑誌] / 青土社 ジャンル: ・雑誌・コミック > 雑誌 > 趣味・車・ペット雑誌ショップ: CD&DVD NEOWING価格: 1,404円 ぼくは、この特集に、数論の黒川信重先生と代数幾何の加藤文元先生と一緒に「数学(者)にとって未解決問題とは何か」という鼎談で参加した。 少し内幕をばらすと、実はこの鼎談の話が来たとき、ぼくは正直断ろうと思ったのだ。だって、古典的な未解決問題ならともかく、現代の未解決問題なんて、ぼくにはさっぱりわからないし、司会役をするだけと言っても、黒川さんや加藤さんから読者にとって有意義な話を引き出せる能力なんてないからだ。でも、黒川先生にはいつもお世話

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  • P≠NP問題がざっくり理解できる本 - hiroyukikojima’s blog

    * 追記(6月27日) 最後の紹介した「約数ゲーム」について、メールで解答を教えてくれた人がいたので、最後に追加しました。 最近、野崎昭弘『「P≠NP」問題』ブルーバックスを読んだので、レビューをエントリーしようと思う。 そもそも、このを読もうと思ったのは、ある雑誌の企画で「数学の未解決問題」について、ある数学者と討論をすることになっていたのがきっかけだった。ミレニアム問題のいくつかが話題にのぼりそうなので、P≠NP問題についても少し知識を補充しておこうと思ったのだ。 でも、アマゾンのレビューで酷評されているのを読んで、いくぶん躊躇した。それで、少し時間が空いたけど、屋で立ち読みしてみて、その場で購入した。少なくともぼくには、アマゾンのレビューはミス・ディレクションにすぎないものだとわかった。買って帰って、速攻で読了したが、ぼくの要求にかなったであった。アマゾンのレビュー欄は、まあ、

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  • 10を聞いても1しかわからない人のためのゼータ関数入門 - hiroyukikojima’s blog

    8月がこんなに忙しい年は初めてで、今まで、全くブログを更新する余裕がなかった。 今回は、更新できない間に、ちょこまか読んだ数学書、小山信也『素数とゼータ関数』共立出版の紹介をしよう。 【送料無料】 素数とゼータ関数 共立講座 数学の輝き / 小山信也 【全集・双書】 ジャンル: ・雑誌・コミック > 科学・医学・技術 > 数学ショップ: HMV&BOOKS online 1号店価格: 4,320円ぼくが、中学生のための受験雑誌『高校への数学』東京出版で素数についての連載をしていることは、何度か書いた。その参考のために、書を読むことにしたのだ。しかし、単なる参考を超えて、このはとてもすばらしいであった。 何がすばらしいか、と言えば、書はゼータ関数のことを、当に丁寧に、至れり尽くせりで解説していることである。 数学書の多くは、「1を聞いて10を知る」人に向けてかかれている。極力、最

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  • 確率は観測可能なのか? - hiroyukikojima’s blog

    ぼくの新著『確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで』ブルーバックスが、そろそろ店頭に並んでいる頃なので、販促の追い打ちをかけておこう。 「まえがき」については、前回(来週に新著が出ます! 確率のです! - hiroyukikojimaの日記)に晒したし、それは『現代ビジネス』(数学者もギャンブラーも投資家も超夢中 世界は確率で動いている!(小島 寛之) | ブルーバックス | 講談社)にも掲載されたので、今回は、もうちょっと、このに込めたぼくの「個人的想い」のようなものを綴ってみようと想う。 確率を攻略する ギャンブルから未来を決める最新理論まで (ブルーバックス) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/17メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見るこのでぼくが問題提起したかったのは、「確率は観測可能なのか?」ということ、もっ

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  • ガロアの定理をわかりたいならば - hiroyukikojimaの日記

    数学書の読みやすさとは、人によって違うと思う。それは、「わかるツボ」というのが人によって違うからだ。幾何的なイメージなしには進むことができない人もいれば、むしろ逆に、非常に形式化されてがちがちに論理的な進み方をしないとわかったような気がしない、という人もいると思う。だから、何か数学的な知識の必要があった場合、何冊にもチャレンジして自分に合った教科書を探すのがベストだと思う。 ただ、最大多数にわかりやすい数学書となると、数は限られてくる。数学を書くのを生業としているぼくでさえ、「よくわかる」と出会えることは滅多にない。そんな中、最近になって出会って、すばらしいと思っているのは草場公邦先生のである。以下の三冊を読んだ。 ガロワと方程式 (すうがくぶっくす) 作者: 草場公邦出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 1989/07/01メディア: 単行購入: 24人 クリック: 614回こ

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  • ABC予想入門 - hiroyukikojima’s blog

    4月になって大学の講義が始まったから、忙しくてなかなかブログが書けない。今回は、短文で済まそうと思う。 先月は、遂に、遂に、雅−Miyaviのライブに行った。赤坂ブリッツ。あまりにすばらしかった。男性ヴォーカリストのライブに行ったのも、感動したのも久しぶりだ。しかも、生まれて初めてのヴィジュアル系(V系)アーティストのライブだし。 雅−Miyaviの音楽は、一言で表現することはできない。非常に奇妙なトッピングになっている。まず、ギターはスラップと呼ばれる独特のスタイルで奏でる。まあ、フィンガーで弦を叩く、という感じかな。したがって、打楽器的な演奏も可能になる。これは、信じられないテクニックだ。ご年配の(同輩の)方々には、キングクリムゾンのベーシストたちのスティックという楽器を連想してもらうのがわかりやすいと思う。(我ながら、ふ、古い・・・)。そういうわけで、ギタープレーは、さながらプログレ

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  • 数学って「思想」なんだよな - hiroyukikojima’s blog

    最近、代数幾何を勉強し始めた。来年出す新書の準備の一環としての勉強だ。 代数幾何というのは、多変数の多項式の解(零点)の点集合(放物線とか、円とか、球などの空間図形はその一種)の性質を分析する分野のことだ。高校で教わる「代数・幾何」を化け物のようにしたような分野だと思えばいい。(間に「・」があるかないかで雲泥の差なのだ)。 実は、ぼくは昔、数学科に在籍したときは、代数幾何が専攻だった。数論を専攻したかったのだけど、成績が悪くて希望のゼミに入れなくて、同級生の「数論をやるなら代数幾何は勉強しておいたほうがいいよ」という一言で、代数幾何のゼミに入れてもらうことにしたのだ。でも、そのゼミでは、代数幾何をほとんど勉強しないまま終わった。ゼミのときは毎週、準備してきたことが10分で先生に撃墜されて、残りの時間はずっとお説教をされていたからだ。(読者に優しい数学書を書く技術 - hiroyukikoj

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  • 『天才ガロアの発想力』出ました! - hiroyukikojima’s blog

    新著『天才ガロアの発想力』技術評論社が、アマゾンにも入荷し、早いところでは書店にも並び始めたと思うので、とりいそぎ宣伝をば。 天才ガロアの発想力 ?対称性と群が明かす方程式の秘密? (tanQブックス) 作者: 小島寛之出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2010/08/21メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 88人 クリック: 2,294回この商品を含むブログ (44件) を見るこのは、19歳で300年未解決だった数学の難問を解き、誰にもそれを理解されないまま、二十歳のある朝、オンナをめぐってピストルで決闘して命を落とした天才ガロアの発想の源をさぐった。決闘前夜に論文の余白に遺書をしたため、その出版を親友に託した、という最期は切ないし、約束を果たした親友はすばらしすぎる。すごく泣ける。 ガロアが突き止めたのは、「なぜ、4次以下の方程式には解の公式があって、5次以上の方程式に

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  • 数学の道が閉ざされるとき - hiroyukikojima’s blog

    遅ればせながら映画『容疑者ケインズ』、もとい、映画『容疑者xの献身』を観てきた。 なぜ観に行ったか、というと、ぼくがCDまで買ってしまいそうな勢いの柴咲コウのファンだからでは決してなく、福山演じるガリレオ先生の講義のように教室を女子大生でいっぱいにするにはどうしたらいいかを学びたいから、ってえのでも全くない。実は、小学生の息子が、「どうしても観たい」、といったので連れていくことにしたのだ。息子は、テレビでの『ガリレオ』を観て、このシリーズのファンになったようだ。表向きには、理科マニアであることが理由なのだが、その実、柴咲お姉さまにやられてしまっているのかどうかは定かではない。(ママには内緒にしといてあげよう)。まあ、理科雑誌「RikaTan」(ムペンバ効果と経済 - hiroyukikojimaの日記参照)を与えて以来、繰り返し熟読しているので、まんざらウソでもないだろう。当に、この雑誌

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    akakit
    akakit 2009/06/17
    「ガリレオ-容疑者Xの献身」監修に黒川信重の名前。エンドロール(数学者/宇宙ゼータ研究所)で笑えるものは幸いである。
  • だいぶ昔、東大生が内ゲバを阻止した話 - hiroyukikojima’s blog

    今日の新聞の書評欄で、漫画家・樹村みのりの新著が紹介されていた。それは以下。 見送りの後で (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) 作者: 樹村みのり出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2008/01/11メディア: コミック購入: 5人 クリック: 29回この商品を含むブログ (10件) を見る まだ買って読んだわけではなく、これから買ってきて読もう、と思っているところなので、推薦しているのじゃないからあしからず。 樹村みのりは、ぼくが少年期・青年期と、とても好きな漫画家だった。とりわけ以下の作品は繰り返し読んだ。 菜の花畑のむこうとこちら (ソノラマコミック文庫) 作者: 樹村みのり出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 2006/04/19メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (5件) を見る 「菜の花畑のむこうとこちら」は、いくつかのエピソードがオム

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  • 数学への恋心 - hiroyukikojima’s blog

    今週末に、数学者の黒川信重先生と二度目の対談をする。 一度目は、数学のフィロソフィー - hiroyukikojimaの日記で書いた通り、雑誌『現代思想』での数論の特集号でだった。今回は、雑誌ではなく、書籍を作ろうという企画である。リーマン予想誕生150周年を記念したの予定なのであるが、黒川先生は、リーマン予想解決の直前になるだろう、と驚くべきことを言っている。まあ、黒川先生も加藤和也先生も、かなりおちゃめな人なので、発言についてはジョーク部分をだいぶ割り引いて受けとらなくてはならないだろう。 黒川先生が、リーマン予想解決の鍵になるであろう、といっている「1元体(F1)上の数学」というのが、今回の対談の話題の中心となると思うので、ほんのちびっとだけは話について行きたい、という思いから、その要となる「スキーム理論」の入り口のところを勉強してみた。スキームというのは、「代数幾何学」という分

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    akakit
    akakit 2009/06/17
    「数論〈1〉Fermatの夢と類体論 」
  • 数学者が数学を「語る」ことの良さ - hiroyukikojima’s blog

    数学者・黒川信重さんと、ぼくとの共著、『リーマン予想は解決するのか?』青土社、がそろそろ書店に並び始めてる頃だと思う。これは、フェルマー予想が解決し、ポアンカレ予想が解決してしまった今、最も解決が待望され、しかも、解決にかなり肉薄している予想だ。この予想について、「そもそもリーマン予想とは何か」、「どんな意義を持っているのか」、「攻略のための最強兵器、F1スキームとは何か」、「今、何合目まで来ているのか」、を縦横無尽に解説した、ものすごくホットななのである。 リーマン予想は解決するのか? ―絶対数学の戦略― 作者: 黒川信重,小島寛之出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/06/01メディア: 単行購入: 31人 クリック: 614回この商品を含むブログ (26件) を見るこのの特徴は、数学書としては異色の形式をしている、ということだ。最初の章に、黒川さんとぼくとの対談が二

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    akakit
    akakit 2009/06/16
    『リーマン予想は解決するのか?』著者「解決しそう。」
  • hiroyukikojima’s blog

    先週の月曜日、8月5日に株価の4451円の暴落が起きた。その前に8月2日にも2216円の下落となっているので、合計するとすさまじい値下がりだ。これを日銀の利上げや植田総裁の発言のせいだと非難する人たちもいるし、単なる短期的な調整と見る投資関係者もいる。現在の株価がいわゆる「バブル」でこれからも暴落を続けるのだろうか。それとも、そんなことはなく、再び安定したり上昇軌道に戻るのだろうか。もちろん、ぼくにはどっちだか判断がつかない。つくはずがない。(確実な判断がつくぐらいなら、こんなブログを書く暇に、株を買うか空売りするかしてるがな。笑)。判断はつかないが、もしも現在が「バブル」であるなら、それはとても重要な問題なのだ。そんなわけで今回は、経済学者の立場から「資産バブルの問題」について解説したいと思う。 その前に、宣伝をひとつ。 今年は宇沢弘文先生の没後10年にあたり、記念のシンポジウムが企画さ

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