結論を最初に記しておく。認証局(認証機関:CA)のデジタル証明書(SSL証明書)を偽造するという今回の攻撃を調査した結果,リスクの大きさは大して変わらなかった。これは旧式のハッシュ・アルゴリズム(ハッシュ関数)を狙った非常に深刻な攻撃といえるが,広く知れわたってはおらず,攻撃者たちに悪用されないよう対策済みだ。 ドイツのベルリンで開催された第25回 カオス コミュニケーション会議(Chaos Communication Congress)で2008年12月30日(現地時間)に発表された技術的な脆弱性については,さまざまな説明がなされている。米ワシントン・ポスト紙の記者であるBrian Krebs氏は,平均的インターネット・ユーザーにも理解できるよう,いつもながらの見事な記事を書いてくれた。米プリンストン大学の教授であるEd Felten氏は,セキュリティの専門家でもあまり暗号やPKI(公開