大晦日にNHKで放送された「あの人からのメッセージ2007」は大変興味深い番組だった。昨年亡くなった著名人を生前のインタビューや文章で振り返るという企画で、阿久悠、城山三郎、小田実、山口小夜子、植木等などの故人が紹介されていた。特に印象に残ったのは、城山三郎と小田実の両氏。ぼくは、この二人に接点があったことを全く知らなかったので、べ平連(ベトナムに平和 を!市民連合)の集会で、ジョーンバエズと共にフォークソングを歌う両氏の写真には本当に驚いた。 そして、二人の思想の意外な共通点にも驚かされた。熱狂的な軍国少年として育ち、自ら志願して軍隊に入った城山氏は、そこで理不尽な暴力や差別に直面し、さらに、戦後、何の反省も無いまま要領良く転向していく「元軍国主義者」たちの姿を目の当たりにし、激しい憎悪を覚えたという。「私の中心にあるのは、少年の日の戦争体験。私は帰ってきたが、同年代で特攻隊に行った者も