「見たことのないゲーム」をつくる──『グノーシア』を生み出した川勝徹氏だからこそわかる、『マーダーミステリーパラドクス』における塩川洋介氏の“無謀すぎる挑戦”とその先にあるもの アナログで遊ぶゲームをデジタルに翻案する。これは「言うは易く行うは難し」の典型的な例といえるだろう。 たとえばマーダーミステリーは、キャラクターの性格や事件前後の行動が記されている個別の設定書をもとに、参加者はキャラになりきり、議論を繰り広げながら犯人捜しを行っていく。 しかし、登場人物には犯人捜しのほかに目的(ミッション)が設定されているため、議論は簡単には進まない。犯人は見つかるのか? 登場人物たちの関係性が判明するのか? どんな結末になるのか? すべては参加者たちの行動で決まり、結末までのドラマはプレイした数だけ存在する。 マーダーミステリーをデジタルに落とし込もうとするならば、考えること、乗り越えなくてはな