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ブックマーク / premium.kai-you.net (66)

  • VTuberのアンチはなぜ生まれるのか? 「ケア」から紐解くファンダムの功罪

    ──あなたにとってアイドルとは? 「実生活において誰かを愛したいのに愛せないみたいな状況が多い。 振り上げた愛のおろし先が見当たらない時に人々の愛を受けて入れてくれる場所。お金に代えて」 ある街頭インタビューに答えて。東京大学大学院生(当時)、足立伊織 愛と暴力のメビウスの輪 「仕方ねぇよバカ女なんだから」 「母親がいないせいで精神が未熟なんだろ」 このひどい言葉は文脈なしで読んでも人をぎょっとさせる。 これは、あるVTuberに対する名誉毀損に当たるとして、開示請求を受けた書き込みである(大阪地方裁判所第16民事部令和3年(ワ)第10340号発信者情報開示請求事件、令和4年8月31日判決言渡し)。 書き込んだ者を、私たちは「アンチ」と呼ぶだろう。当該のVTuberを傷つけるひどい行為をした、と。書き込んだ者はよほど当該のVTuberが嫌いなのだろう、と。 しかし、そう簡単な話ではない。こ

    VTuberのアンチはなぜ生まれるのか? 「ケア」から紐解くファンダムの功罪
  • ベイブレードは、なぜ「バトルホビーの集大成」なのか──「コロコロコミック」中編

    生粋のおもちゃ狂として知られるお笑いコンビ・宮下草薙の‎宮下兼史鷹。KAI-YOU Premiumでは、宮下に毎回1つのおもちゃを取り上げ存分に語ってもらう連載を更新中。 前回は『月刊コロコロコミック』の編集長・秋武英を対談相手に迎え、ミニ四駆、ビーダマン、ポケットモンスターといった錚々たる90年代ホビーの裏側について語り尽くしてもらった。 中編となる今回は、90年代ホビーの系譜の集大成であるベイブレードを中心に、コロコロホビーの成熟期ともいえる2000年代を振り返る。そこから見えた、秋が考えるコロコロの哲学と真髄とは? 構成:LIT_JAPAN 取材・編集:和田拓也 撮影:鈴木大喜 目次"90年代ホビーの集大成”ベイブレードと2000年代"制限のなかの自由”が、子ども心をくすぐるコロコロがこだわる「おもちゃ」と「ホビー」の違い "90年代ホビーの集大成”ベイブレードと2000年代 宮

    ベイブレードは、なぜ「バトルホビーの集大成」なのか──「コロコロコミック」中編
  • 崩壊したVTuber事務所ライヴラリ代表が語る「誰にも想像できないゴール」とは?

    業界に名を馳せる個性的なタレントを輩出しつつも、その全員が活動を終了し、“失敗したVTuber事務所”となったライヴラリ。その運営企業である株式会社ゆにクリエイトの代表取締役・望月陽光氏への独占取材記事となる。 前編からの繰り返しとなるが、成功から得られる知見と同等かそれ以上に、失敗から学べることも多い。 なぜVTuber事務所「ライヴラリ」は崩壊した? 代表自ら語るその経緯 『ライヴラリ』というVTuber事務所がある──いや“あった”と書くほうが、実態には即しているだろうか。「今日は何の日」という動… そして、得てして失敗談は語られず粛々と藪の中に溶けていくものだが、今も生き残っている当事者が存在する成功談よりも、来は失敗談こそが残されるべきである。それは、VTuberファンのためというよりも、業界の健全な未来について考えるためにだ。 前編では、ゆにクリエイトと『ライヴラリ』の立ち上

    崩壊したVTuber事務所ライヴラリ代表が語る「誰にも想像できないゴール」とは?
  • 「趣味の様なイラストで楽してお金を稼ぐなんてとんでもない」という時代を越えて

    イラスト評論「ネット絵学」プロジェクトを推進してきたイラストレーター・虎硬がおくる連載「令和のネット絵学」。 第4章では創作物の持つ、思想やその変遷を追いかけていこう。 社会の中でイラストを受容するためにはルールが必要で、創造者に敬意を払われる必要がある。一方でクリエイティブが批判の対象になることもあり、その見方も時代によって大きく異なる。 目次思想とミーム──私たちは自分と同じ考えを持つ人間を増やしたいキリ番に相互リンク、掲示板での挨拶……個人サイトでの古のルール整備毒吐きネットマナーの登場──荒らしへの対処法、皮肉な結末「絵を数字化」することの功罪イラストと嫌儲思想 2ch発の、インターネットの空気感収益化の安全性──つい10年前まで、投げ銭も嫌われていた止むことがないトレパク騒動 冤罪を助長する被害者感情10年前では考えられなかった、中国韓国クリエイティブへの評価ミームを遡って、歴

    「趣味の様なイラストで楽してお金を稼ぐなんてとんでもない」という時代を越えて
  • なぜVTuber事務所「ライヴラリ」は崩壊した? 代表自ら語るその経緯

    『ライヴラリ』というVTuber事務所がある──いや“あった”と書くほうが、実態には即しているだろうか。 「今日は何の日」という動画でVTuber黎明期を彩った赤月ゆに。アダルトゲームや下ネタを臆せずくり出し話題をさらった月ひまり。「ものづくり」という特技が輝いた図月つくる。オカルト関連のトピックを仕掛けていった無月めもり──個性豊かで、今では珍しい動画中心の活動を展開していた所属タレントは、全員姿を消した。 そこに至るまでの道程は平坦とは言い難い。特に月ひまりは、クラウドファンディングの行く末が不安視され、ファンの中には返金をめぐって訴訟を計画する者まで現れるほどだ。公式声明も的確に発信されたとは言えず、混迷を極めた末に、ライヴラリはもぬけの殻となった。 客観的に見ても、まさに「VTuber運営の失敗例」である。ファンでなくとも、批判の矛先を向けるのも致し方ないだろう。 だが、失敗の

    なぜVTuber事務所「ライヴラリ」は崩壊した? 代表自ら語るその経緯
  • スマホゲーム『リバース:1999』が傘に隠した切実な主張 香港ポップカルチャーの闘い

    スマートフォンゲームの中には、社会問題をモチーフとした作品がある。そしてそれは『リバース:1999』も例外ではない。 そのテーマを語ることはリスクを伴う。どのようなリスクが存在するのか。読みさえすれば納得していただけると思う。 まず最初に香港製作のSF映画『未来戦記』の話をさせてほしい。香港の会社、香港のVFXスタジオでつくられたSF超大作である作は、作中に出てくる「共産主義の脅威をメタファーとして描いた50年代のSFホラー映画」に対し、香港の名優ラウ・チンワンが「結末は自分たちで決める!」と啖呵を切る。 これは、香港の未来は自分たちで決めるという決意に他ならない。この話は、今からする『リバース:1999』の話と無関係ではない。 『リバース:1999』はスマートフォンおよびPC向けに配信されている世紀末タイムリバースRPGである。開発・運営は中国広東省広州市に拠点を置くBLUEPOCH。

    スマホゲーム『リバース:1999』が傘に隠した切実な主張 香港ポップカルチャーの闘い
  • 原子力少年の憂鬱──『呪術廻戦』虎杖悠仁の末路を、東京都民の私は見届ける義務がある

    『呪術廻戦』(2018–)の主人公・虎杖悠仁はあまり主人公らしくないな、と感じることがある。 あくまで個人的な印象にすぎないと思っていたのだが、試しにインターネットで検索してみると、似たような感想がいくつかヒットする。一部の読者のあいだではある程度共有されている感覚なのだろうか。 もしそうだとしたら、虎杖に“主人公らしさ”が感じられないのはなぜだろうか。いろいろと理由は挙げられるものの、ここでは1980年代以降の少年漫画の主人公類型という観点から考えてみたい。 結論から言うと、虎杖があまり主人公らしく感じられないのは、彼がこれまでの少年漫画のパラダイムから逸脱する“第三世代の原子力少年”だからではないか。 目次“自分では制御しきれない力を秘めた少年”という主人公類型からの逸脱「原子力少年」第一世代の命題と、第二世代が切り拓いた可能性『呪術廻戦』が徹底的に否定する“原子力の平和利用”という成

    原子力少年の憂鬱──『呪術廻戦』虎杖悠仁の末路を、東京都民の私は見届ける義務がある
    akihiko810
    akihiko810 2024/03/29
    『呪術廻戦』(2018–)の主人公・虎杖悠仁はあまり主人公らしくないな、と感じることがある。
  • 短歌ブームと文学フリマ拡大が示す『不良債権としての「文学」』の答え

    プロ・アマ、営利・非営利、ジャンルを問わず、つくり手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自分で販売する場として、規模を拡大し続けている「文学フリマ」。2002年にスタートしたこの展示即売会は、現在は九州〜北海道までの全国8箇所、年間合計9回にわたって開催されている。参加者たちは略して「文フリ」とよく呼ぶ。 出店者・来場者の増加を背景に、2024年5月19日(日)開催の「文学フリマ東京38」からは東京開催時の一般入場を有料化。12月1日(日)開催の「文学フリマ東京39」は東京ビッグサイトでの開催も発表され話題となった。 今、文学フリマは文学を志す人々にとって、作品発表やビジネスにおいて、既存の商業出版だけではない「オルタナティブな場」として機能し始めているのかもしれない──この問いを掘り下げ、文学にまつわる人々にとっての思考の補助線をまとめようと、有料化される前の最後の「文学フリマ東京37」の

    短歌ブームと文学フリマ拡大が示す『不良債権としての「文学」』の答え
  • 『すずめの戸締まり』プロデューサーの戦略 韓国発「WebToon」に見出す世界への道

    年々売り上げを伸ばし、2022年には5000億円規模にまで成長した日の電子コミック市場。その中で近年、韓国発の新たな漫画文化「WebToon」が注目を集めている。 Webでの掲載を前提とし、縦スクロール形式で制作されたWebToonは、『梨泰院クラス』『女神降臨』などを筆頭にドラマでも人気を獲得。QYResearchが発表したデータでは、世界のWebToon市場は5500億円を超える規模とされている。 近年は、日国内でも多くの企業がWebToonに参入。そして今回、映画すずめの戸締まり』など新海誠監督作品のプロデュースを手がけるSTORY inc.が参入を発表した。 STORY inc.は、東宝の映画プロデューサー・川村元気さん、古澤佳寛さんらが2017年に設立。同社がWebToon参入にあたって手を組んだのは、テレビ東京系でドラマ化された『夫を社会的に抹殺する5つの方法』で知られる

    『すずめの戸締まり』プロデューサーの戦略 韓国発「WebToon」に見出す世界への道
  • 「ストグラは配信者版スマブラ」10万人が覗き見る仮想都市生活、その舞台裏

    しょぼすけさんが立ち上げたのは、『Grand Theft Auto V(グランド・セフト・オートV、以下GTAV)』を題材にした企画「ストリートグラフィティ ロールプレイ」。 通称「ストグラ」と呼ばれるこのサーバーには、ストリーマー、プロゲーマー、TRPGプレイヤーなど、経歴や界隈を問わず様々な活動者が参加。ゲーム内の舞台「ロスサントス」の住人として、役職や各々が設定したキャラクターに見合う”ロールプレイ”に主軸が置かれている。 稿執筆時点では、Twitchの総フォロワー数が130万人を越えるストリーマー・SHAKAさんや、『呪術廻戦』の「五条悟」役などで知られる声優・中村悠一さんも参加しており、推し参加者の活躍を心待ちにしているファン層に支持され、コミュニティの垣根を越えた一大ムーブメントを形成。 1月6日には、マクドナルド役で知られるライトさんが主催し、ストグラ初となるオフラインイベ

    「ストグラは配信者版スマブラ」10万人が覗き見る仮想都市生活、その舞台裏
  • イラストバブルが勃興した10年と、陰りを呼ぶ7つの理由

    なによりこの10年は、イラストレーターの社会的な地位が大きく向上しています。 例えば2010年であればSNSのフォロワーが5,000人いればかなり人気のクリエイターと言えました。しかし今では、10万人以上のフォロワーがいるイラストレーターも珍しくありません。トップクリエイターであれば50万人、100万人といます。テレビに出てくるようなタレントよりもフォロワーが多い作家も沢山存在しているのです。 ”Reincaranimation” pic.twitter.com/mXOtNSuo1j — 米山 舞 Yoneyama Mai (@yoneyamai) December 29, 2023 なぜ彼らがここまでの人気を獲得できたかと言えば、先般の通り、市場におけるイラストのニーズが激増したことが要因です。 イラストの「惹き」の強さを社会が認知し、これまで人間のタレントを使う様な広告でもイラストに置

    イラストバブルが勃興した10年と、陰りを呼ぶ7つの理由
  • 韓国イセドルや桐生ココが切り拓いてきた、VTuberグローバル化の鍵とは?

    インターネットは国境や文化を超えて、すべてを繋げてくれるネットワークだと期待されてきた。 2023年、国やプラットフォーム、SNSごとの区分は強くなりつつある。この情報環境の変化は、VTuber(バーチャルYouTuber)にとっても無関係ではない。 2023年のVTuberシーンの振り返りでは、前編の記事に引き続き世界の動向を振り返る。 VTuberはグローバル化できるか? ANYCOLORにカバー、Brave groupの戦略 2022年は、VTuber業界にとって象徴的な出来事がいくつか重なっていた。まず、先駆者であるキズナアイの無期限活動休止が全界隈… 世界の潮流や事例を紐解きながら、未来の展望に触れていく。 目次VTuber流行から5年 「セカンドキャリア」という選択肢“匂わせ”という手法──ぺぺちにVShojo、VTuberたちの卒業ケースWACTORの世界的炎上に見る、グロー

    韓国イセドルや桐生ココが切り拓いてきた、VTuberグローバル化の鍵とは?
  • VTuberはグローバル化できるか? ANYCOLORにカバー、Brave groupの戦略

    2022年は、VTuber業界にとって象徴的な出来事がいくつか重なっていた。まず、先駆者であるキズナアイの無期限活動休止が全界隈に衝撃を与え、そしてその年の瀬にキズナアイの技術が引き継がれたウタがNHK紅白歌合戦で「新時代」を披露VTuberの新たな章を開くような、そんな終わり方だった。 2023年は、まるでそのバトンを受けとったかのようにVTuberシーンが新たな幕を開けることとなり、変化と成長の激しい1年間となった。 目次アメリカ韓国、タイ……増加するVTuber海外イベント英語圏でもVTuberは「飽和状態」の声 グローバル化への課題にじさんじホロライブにはなかった、Brave group「V4Mirai」の戦略元タレントの個人情報を晒し炎上/収益分配の内訳を明かして称賛宣言通り海外での横展開を始めたホロライブの存在感「公正な報道受けていない」海外ファンの不信が注ぐANYC

    VTuberはグローバル化できるか? ANYCOLORにカバー、Brave groupの戦略
  • 『ちいかわ』論 ポスト・ヒューマニズムな現実に人間性を取り戻す「三」の法則

    ちいかわ』と聞いて、あなたは今や街中の至るところで見かける、キャラクターたちの姿を思い浮かべるだろうか。それとも、SNS上で日々更新される、漫画作品(と、そのアニメ化)の内容を思い出すだろうか。 ストーリー漫画としての『ちいかわ』は、従事するのに資格が必要な「草むしり」や、自分の身体よりもはるかに大きな生物に命をかけて挑まなければならない「討伐」によって日々の糧を得る主人公たち「ちいかわ族」を労働者のメタファーとして読解されることがままある。彼らの暮らす作品世界は、私たちが生きる資主義社会のメタファーだ、とも。 一方、そうしたシビアな世界観を抜きにマスコットとして消費されている側面もあり、そもそもストーリーを追っていない人の存在もSNS上で多数報告されている(「グッズから入った友人がストーリーも追うようになって絶句した」のようなエピソードを目にすることは日常茶飯事だ)。 しかし、こうし

    『ちいかわ』論 ポスト・ヒューマニズムな現実に人間性を取り戻す「三」の法則
  • 最古のVTuberはテレビから生まれた? 映像ロボットからキズナアイに至るVTuber前史

    稿では、2023年12月「コミックマーケット103」にて刊行の、バーチャルのすべてを記録するVTuber文芸・歴史編纂誌『風とバーチャル』第一集 所収の論文を先行公開する。 執筆は、『風とバーチャル』編集部代表の古月氏。放送業界とCG技術でたぐり寄せる、VTuber前史── 『風とバーチャル』詳細はこちら 普通のYouTuberと違うぞ?……と思ったそこのアナタ! 中々するどい! 私、実は……二次元なんです! あれ? 3Dだから三次元? うん、まぁとりあえず、バーチャルってことで。バーチャルYouTuberって響き、カッコよくないですか?『【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)』より 2016年に活動を開始したキズナアイは自らを「バーチャルYouTuber」と名乗った。YouTubeでの動画投稿を活動の軸に、様々なことにチャレンジしていくその姿は今日のVTuber文化に少

    最古のVTuberはテレビから生まれた? 映像ロボットからキズナアイに至るVTuber前史
  • 中国で“海賊版ポケモンカード”が異常進化──パチモンカードゲームの語られざる歴史

    2023年10月28日、中国土で『ポケモンカードゲーム』が正式発売されてからまる一年の月日が経った。 現在進行形で高騰を続ける市場価格、中国現地でのポケモン人気の高さも相まって、今や中文版のカードが他言語版より高値で取引されるケースも珍しくない。 中国大陸が“ポケモンカード空白地帯”だった史実も、今は昔と言えるだろう。 ……とは言え、建前上“ポケモンカード空白地帯”という言葉は使ったが、実際これまで中国大陸にポケモンカード文化がなかったのかと言えば、それは違う。1999年には台湾で繁体中文版が発売されたこともあったし、ここ10年ほどはバイヤーが海外で買い付けた並行輸入品が大量に流通、海外のユーザーから「爆買い」と揶揄されることもあった。 そしてなにより、ポケモンカードが正式発売されていないのを良いことに、“勝手に”つくっていたからだ。 現在市場に蔓延っているスーパーコピーとは似て非なる、

    中国で“海賊版ポケモンカード”が異常進化──パチモンカードゲームの語られざる歴史
  • 遊びでも仕事でもない、まにむに芽生えた責任──「二次創作ではないTRPG」がゲームを変える

    プレイヤーでもゲームマスターでもなく、“表現者”としての視座からまにむさんはTRPGという遊び、文化を視ている。 業界団体が発表した独自の二次創作ガイドラインの存在もあり、今、TRPGシーンは大きな変化を迎えている。 取材を進める中で、まにむさんは、TRPGとその文化を次の次元に進めるための具体的なプランも抱いていることがわかった。 目次TRPGに気づかされた、自分の漫画に決定的に欠けていたものと悔しさ宮崎駿『君たちはどう生きるか』に鼻をへし折られたまにむにとってのTRPG──表現したい世界を実現する手段として遊びとも仕事とも違う、まにむに芽生えた“責任”「二次創作ガイドラインは時代に逆行している」──そもそもTRPG当に流行っていますか?ライブ配信×TRPGに感じる危険性──TRPGが楽しいのか、配信者が好きなのか物語を紡ぐ人を増やすために──世界観なき、独自のゲームシステム TRP

    遊びでも仕事でもない、まにむに芽生えた責任──「二次創作ではないTRPG」がゲームを変える
  • 「トレカバブルに対応しきれない」PSA偽造に転売……老舗TCGメーカーの危機感と勝算

    今、トレーディングカードゲーム(以下、TCG)業界に何が起こっているのか? なぜこうなってしまったのか? メディアを賑わす「ポケモンカードゲーム」を筆頭に熱狂的なブームの続いているTCGは、国内玩具業界における売上No.1を叩き出している。 後発の「ONE PIECEカードゲーム」などの勢いもさることながら、新カード発表のたびにトレンドを賑わす「遊戯王OCG」や、リリースから現在に至るまでキッズの心を掴み続ける「デュエル・マスターズ」、世界最古のTCG「マジック:ザ・ギャザリング」まで様々なタイトルがしのぎを削っている。 一方で、近年のTCGブームの過熱は、新商品の入手困難という状況を生み出し、買い占め行為なども横行。転売による利益を目的にカードを売買するユーザーも生まれ、高額カードの偽造や窃盗事件などの犯罪行為にまで及ぶケースも珍しくなくなってきた。 こうした事態がTCG業界の健全な姿か

    「トレカバブルに対応しきれない」PSA偽造に転売……老舗TCGメーカーの危機感と勝算
  • トレカバブルの裏側……闇オリパに価格吊り上げ「業界団体も存在しないからルール無用」

    トレーディングカードゲーム(TCG)市場が、急激に拡大している。 今起こっているバブルは同時に、トレーディングカードゲームという文化に濃い影を落としてもいる。 2022年、成長目覚ましい国内玩具市場において、TCGが売上No.1を叩き出した。このトレカバブルを牽引するのが「ポケモンカードゲーム」(ポケカ)の存在だ。 「ポケットモンスター」という世界的キャラクターコンテンツというブランド力に加え、子供から大人まで楽しめるゲーム性や、男女に人気を誇るカードイラストなどが功を奏し、老若男女に楽しまれるタイトルとなっている。 その人気がためカードの価格が高騰し、1枚1000万円を超えるものまで出てきている。結果、プレイヤー以外にも転売ヤーや「ポケカ投資家」なる者らが跋扈することに。今や、「ポケカ」はそれを巡ってたびたび窃盗や暴行事件などに発展する社会現象となっている。 渦中の投資家やオリパ(オリジ

    トレカバブルの裏側……闇オリパに価格吊り上げ「業界団体も存在しないからルール無用」
  • 浜崎あゆみにおける「セカイ系」の詩学──あるいはTohji的ロードサイドの風景について

    11月刊行予定の『ferne vol.2 セカイ系✕音楽特集号(仮)』に収録の、主宰である北出栞氏による批評を先行公開。 2021年刊行の『ferne』創刊号についてはこちら 2023年にデビュー25周年を迎えた浜崎あゆみ。アニバーサリーイヤーということで各種テレビ番組への出演が相次ぐほか、「Y2K」「平成レトロ」の文脈で視線を向けられる機会も増えている。 40歳を超え、いまでは母ともなった浜崎あゆみは、最新アルバム『Remember you』のジャケットでは漆黒のロングドレスをまとい、「伝説の歌姫」と呼ばれるに相応しい風格を誇っているように見える。新たに彼女を知ったリスナーからすれば、ともすると20年超の長きにわたり強かに芸能界を生き抜いてきた、「強い女性」のイメージを持つかもしれない。 しかし1998年のデビュー時から全盛期とされる2000年代前半までの「浜崎あゆみ」とは、果たしてそん

    浜崎あゆみにおける「セカイ系」の詩学──あるいはTohji的ロードサイドの風景について