《後編》はこちら 1976年は日本ロックの集大成の年だった――「1976年の新宿ロフト」にフォーカスした本を書こうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか? 平野悠(以下同) 新宿ロフトの過去のスケジュールを見ていると、1976年の10月1日から10日間かけて行われた、オープン記念ライブのラインナップが目立ってすごいんですよ。 ムーンライダーズ、桑名正博、高橋幸宏や高中正義がいたサディスティックス、センチメンタル・シティ・ロマンス、南佳孝、吉田美奈子、矢野顕子、大貫妙子、遠藤賢司、りりィ、山崎ハコ、長谷川きよし……他にもたくさん。 昔のファンも若い人たちも、これをみるとみんなぶっ飛ぶわけですね。だから、その時期のことを中心にして、1984年に僕がいったん日本を離れるまでのロフトの歴史をまとめてはどうかという話になったんです。 ――1976年という年は、やはり平野さん自身にとっても特別な意味