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  • 『宇宙戦艦ヤマト2202』とは何だったのか 第五章「作劇篇」

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 (この連載の初めから読む) たとえば、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の第9話「ズォーダー、悪魔の選択」。 帝星ガトランティスの大帝ズォーダーともあろう者が、なぜか辺境の星・地球の一士官ごときに目をかけて延々と自分の心中を語り続ける。 それを聞かされた古代は古代で、ズォーダーの長広舌から解放されると三隻のガミラス艦に向かい、三隻に分乗している民間人らすべてに声が届く状態で、艦内の森雪一人への個人的な思いを長々と告白する。 いずれも相当に恥ずかしい展開だ。 このように時と場所を考えない長広舌は、日映画テレビ作品でしばしば見かけるところではある。福田靖氏が脚を担当した『LIMIT OF LOVE 海猿』をニューヨークで上

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  • 『海街diary』 小津をほうふつって本当?

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 まるで外国の映画を観るような、日映画らしからぬ作品だ。 褒め言葉として適切かどうか判らないが、『海街diary』に抱いたのはそんな感慨だ。 外国の映画の方が日映画より上等だとか、是枝裕和監督が外国の作品をなぞっているというわけではない。日常のディテールをきっちり押さえた作り込み、無駄のないセリフ、冴えた映像、研ぎ澄まされた編集、そして家族という普遍的なテーマが、日とかどうとかいう枠を超えた至高の境地に達して、実に心地好い映画なのだ。 日人なら判ってねという甘えに陥らず、作は人間誰しも感じるであろうことを一からきちんと積み上げている。 これほどまでに端正に、繊細に作られた映画を観られたことが何より嬉しい。 ぼたもち、花火、

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  • スター・ウォーズに見る黒澤明3: 『ジェダイの復讐』の終りはあれでいいの?

    『新たなる希望』が辺境のタトゥイーンではじまるのは判る。映画の舞台を生まれ故郷から戦いの中心であるデス・スターやヤヴィンに移していくことで、青年ルークの成長を演出したのだ。 『帝国の逆襲』では登場人物の気持ちの揺れを表すように、いろんな星をふらふら巡った。極寒のホス、泥沼のダゴバ、形の定かでないべスピンと、どの星も登場人物の心情と立場を表現する上で効果的に配置されていた。 だから、完結編となる『ジェダイの復讐』では首都惑星コルサントをはじめ帝国の中心部を舞台にして、物語を華々しく締めくくって欲しかった。銀河文明の粋を極めた映像を見せて欲しかった。いつまでも辺境を舞台にしていては帝国に決定的なダメージを与えられないだろうし、物語としても不自然だ。 観客の多くがそう思いながら『ジェダイの復讐』に臨んだはずだ。 ところが、あろうことか舞台は物語の起点である辺境の地タトゥイーンに戻ってしまう。そし

    スター・ウォーズに見る黒澤明3: 『ジェダイの復讐』の終りはあれでいいの?
    akihiko810
    akihiko810 2016/01/04
    。『七人の侍』の舞台は辺境に終始し、都は出てこない。だから、オリジナル三部作も最後まで銀河の中心部は描かなかったし、ラストは村祭でなければならなかった。
  • 『東京家族』 『東京物語』とこんなに違う

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 山田洋次監督の『東京家族』は、小津安二郎監督の代表作『東京物語』をモチーフにしている。 そう公式サイトには書いてある。 1953年に公開された『東京物語』は、映画史を代表する作品として世界で評価される傑作だ。 それを、映画監督としては小津安二郎以来二人目の芸術院会員である山田洋次監督が、モチーフどころかリメイクと呼んで良いほどそっくりそのまま再現するのだから、たいへん注目される。 前作『おとうと』が、市川崑監督の『おとうと』(1960年)にインスパイアされ、市川崑監督に捧げられたように、作も小津安二郎監督に捧げられている。 制作・配給の松竹は、賢い姉と愚かな弟の映画『おとうと』の公開時に、愚かな兄と賢い妹の映画『男はつらいよ』を髣

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    akihiko810
    akihiko810 2014/01/27
    山田洋次『東京家族』
  • 『かぐや姫の物語』 高畑勲の「罪と罰」とは?

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 2013年、高畑勲監督は実に14年ぶりとなる新作映画を発表した。 『かぐや姫の物語』は、まさに高畑アニメの集大成ともいうべき大傑作だ。これまで世界中を泣かせ、喜ばせ、感動させてきた高畑勲作品のあらゆる要素がここに結実している。 72歳で長編アニメからの引退を宣言した宮崎駿監督よりも、さらに年上で78歳になる高畑監督が発表したこの長編は、心して観たい作品である。 何年か前のこと、私は都内にしては閑静なところにある弥生美術館を訪れた。武部一郎画伯の回顧展が行われたからだ。 武部画伯は多くの児童書やSF小説の挿絵を手掛けた人なので、を好きな方にもファンが多いだろう。『火星のプリンセス』のヒロインを描いた絵は、米国のS

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  • 『コクリコ坂から』 忘れ去られたモデルとなった事件

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 【ネタバレ注意】 なぜ1963年なのだろう? マンガ『コクリコ坂から』が少女マンガ誌『なかよし』に連載されたのは、1980年である。もちろん、その時代を背景に、その時代の少女たちを対象に描かれたマンガだから、映画のように高度経済成長期を舞台としたわけではない。 にもかかわらず、映画『コクリコ坂から』の時代は1963年と設定されている。 1963年――1941年1月生まれの宮崎駿氏は22歳、学習院大学を卒業し、アニメーターとして東映動画に入社した年である。すなわち、この映画は宮崎駿氏のアニメーター人生のはじまりとなった時代を描いているのだ。 また、主役二人の年齢から逆算すれば、その出生の秘密は18年前に遡る。1963年の18年前と云え

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  • 映画のブログ

    映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 なんともイケてる名前じゃないか。 怪盗ファントマと快傑ミラージュが好きな私は、「正義の怪盗ファントミラージュ」というネーミングにワクワクした。 四人の可愛い怪盗が活躍する『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』は、観れば観るほど、知れば知るほど感心する作品だ。 ■ロールモデルとしてのガールズ×戦士 そもそも、2017年の『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』にはじまり、2018年の『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』、2019年から1年以上の長期放映になった『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』と続くガールズ×戦士シリーズのコンセプトが、非常によくできている。 もとをたどれば、東映と石ノ森章太郎氏が『好き! すき!! 魔女先生』(

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    akihiko810
    akihiko810 2012/09/23
    >日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて
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