アンドレ・ブルトンの『魔術的芸術』で味をしめまして、もう少しシュールレアリズム系の本が読んでみたくなり、アルトーの『演劇とその形而上学』を古本屋で買ってきて読みました。 これは『演劇とその分身』というタイトルで新訳が出ています。が、ぼくは古本屋で安価で売ってるのを買ったんで、読んだのは旧訳のほうです。おそらく新訳のほうがいいんでしょうね。旧訳は訳者があとがきでこの本を「独断と偏見と誤謬に満ちた詩人の叫びでしかない」とか書いていて、おもわず「おいおい」とツッコミを入れたくなってしまいました。そんな理解で訳してたんですね。 けれど、ブルトンの『魔術的芸術』あたりを補助線にして読んでいけば、それほど奇説が書いてあるわけでもない気がします。それでも充分に普通ではないのですが、「独断と偏見と誤謬に満ち」ているとは思いません。 それにしても凄い本ですね。 アルトーの演劇に対する見方はブルトンにおける「