日本の優れた創作作品を世界に紹介するという意図で開始されたコンクール〈SUGOI ! JAPAN〉が2016年も開催された。最終的には一般投票で優秀作品が選出されるのだが、〆切は2017年1月3日、間もなくである。未投票の方はぜひ、いっぺん候補作リストを覗いてみてもらいたい。 杉江はこのコンクールのエンタメ小説部門候補作の選考委員を務めている。2016年は、ミステリーを多数リストに入れることができて、自分なりに役目を果たせたと考えている。特に喜ばしいのは2015年の話題作、深緑野分『戦場のコックたち』(東京創元社)が選出されたことである。第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を舞台に謎解きの物語が綴られるというミステリーであると同時に、近代戦争の悲惨な現実を描いた意義ある歴史小説でもある(内容はWEB本の雑誌に載せたこちらの書評を参照ください)。 私は集英社『戦争×文学』全集の資料巻において日本の
![2016年末特別企画:『戦場のコックたち』著者・深緑野分氏に聞く](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f43b89a3e228e91dec06dd4e025802599dc3bae2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi2.wp.com%2Fwww.bookaholic.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2016%2F12%2F17eaad1aec4403ca012ffd47f34e1223.jpg%3Ffit%3D340%252C499)