弱さは個人の問題ではなく、構造上の問題だ。公認心理師・臨床心理士 信田さよ子さんと考える“弱さ”のこと こここスタディ vol.08 弱さはできるだけ人に見せず、自分の中で克服すべきだ。社会人として働くようになってから、そんな価値観を当然のものとして受け入れ続けてきた人は少なくないのではないだろうか。私自身にも、自分の弱みにばかり目を向け、それをどうにか矯正しようともがいていた時期がある。 けれど、時間を経て、弱さは必ずしも否定し、矯正すべきものではないと思えるようになってきた。自分の弱いところや苦手なことを隠さず、周囲に助けを求めたり、それをコミュニケーションのきっかけにしたりできる人たちをたくさん目にしてきたからだ。そのことで肩の荷が下り、だいぶ楽になった。 近年では、「自分の弱さを認め、それを怖れずに見せていこう」というメッセージが公の場で説かれることもすこしずつ増えてきた。「弱さは