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ブックマーク / mmpolo.hatenadiary.com (8)

  • 自費出版した本がなぜ書店に並ばないか - mmpoloの日記

    共同出版方式で自費出版したがほとんど書店に並ばなかったと出版社を訴えた著者が話題になっている。なぜ並ばないか、書店と出版社の関係があまり知られていないと思う。 まず書店に並んでいるのほとんどは書店のものではない。書店は出版社から預かっているだけだ。例外があって、岩波書店のと未来社のは書店の買い切りが原則なので書店のものだ。(だからこの2社のを置いている書店は少ない)。 書店に並んでいるはこの買い切りを除くと大きく分けて2種類がある。一つは新刊委託で新刊の発行から4か月間だけ書店が預かっているもの。その期間を過ぎると返ができない決まりで書店が買い取らなければならない。もう一つは常備寄託で、出版社とのあいだに契約を結んで、決められたを1年間だけ預かり、その間に売れた分は補充し、1年後に精算する。 さて書店の棚には限界がある。流通している書籍の種類は膨大だ。物理的に書店が並べうる

    自費出版した本がなぜ書店に並ばないか - mmpoloの日記
  • 本橋信宏『東京最後の異界 鶯谷』を読む - mmpoloの日記

    橋信宏『東京最後の異界 鶯谷』(宝島社)を読む。以前読んだ森川嘉一郎『趣都の誕生』(玄冬舎)の類だろうと思った。『趣都の誕生』は2003年に単行が発行されたもので、オタクの街としての秋葉原を紹介している。これが発行された10年前はまだ秋葉原にある会社に勤めていたので、この街について多少は知っているつもりでいたが、オタク関係の情報はほとんど知らなくてなかなか面白かった。『東京最後の異界 鶯谷』もその類だろうと思ったのだ。秋葉原と違って鶯谷がラブホテルの街だということは、昔勤めていた会社の健康保健組合が契約している健康診断をする病院が鶯谷のホテル街の外れにあったから、一応知らないではなかった。当にそれだけの知識だったが。 しかし書は実は過激な風俗の実態を紹介するものだった。鶯谷は現在デリヘルのメッカになっているという。デリヘルはデリバリーヘルスの略で派遣型風俗店、店舗を持たずに女の子を

    本橋信宏『東京最後の異界 鶯谷』を読む - mmpoloの日記
  • いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』がおもしろい - mmpoloの日記

    いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』(講談社学術文庫)を読む。これがとてもおもしろい。1990年代後半に講談社から『現代思想の冒険者たち』全31巻が刊行された。ハイデガーから始まり、フッサール、ウィトゲンシュタイン、カフカ、ニーチェ、マルクス、フロイト、ユングなど、またバルト、フーコー、アドルノ、クリスティヴァなど当時の最先端の哲学者、思想家を集大成した意欲的な現代思想叢書だった。その月報に連載されたマンガと解説をまとめて2002年に単行にしたもの。2006年に増補版が出て、今回その増補版を文庫化している。 きわめて難解な哲学をいしいひさいちが面白おかしくマンガにしている。編集部が適切なコメントを付けているが、それも含めてとてもよく出来ている。たぶん100メートル離れたところから見たその哲学者の面影といった程度以上に理解できるのじゃないだろうか。当時この単行を購入して読み、31巻のう

    いしいひさいち『現代思想の遭難者たち』がおもしろい - mmpoloの日記
  • 林あまりの過激な短歌 - mmpoloの日記

    先に林あまりの過激な短歌を紹介した(4月10日)が、林の処女歌集『Mars★Angel(マース・エンジェル)』(河出文庫)こそ最も過激な表現が溢れている。その「ナナコの匂い」より。 ビー玉があるよとわたしにさわる指 リリアンみたいといとしむペニス 鳩の出る手品→わたしの中のハト→ あなたのおちんぽいまふくらんで 「入れて」って言っているのはわたしの声 マイクのようなペニスつかんで 手の中の小鳥のようにひくひくと 終わってちいさくなったおちんぽ 「よくひらく足だね」言わせるまでは、って 意地でもひらく 勝ちたいナナコ とりあえずにこにこさせたい? 「Gスポットざらついてるよ、シャーベットだね」 衿もとのレースをいじる 花びらをあなたがめくってくれる夜まで おちんぽを握って自分で入れるとき (コンセントみたい)ほほえむナナコ 以前紹介した林あまりの短歌は、 ・林あまりの短歌(2012年4月10

    林あまりの過激な短歌 - mmpoloの日記
    akihiko810
    akihiko810 2016/04/04
    林あまりの処女歌集『Mars★Angel(マース・エンジェル)』(河出文庫)こそ最も過激な表現が溢れている。その「ナナコの匂い」より。
  • 『ヌードと愛国』を読む - mmpoloの日記

    池川玲子『ヌードと愛国』(講談社現代新書)を読む。標題から想像する内容とは違い、真面目な研究書だ。それもそのはずで、著者池川は若桑みどりに師事した日近代女性史が専門の研究者なのだ。 書は7つの章からなっている。章題とその副題を列挙すると、「デッサン館の秘密/智恵子の"リアルすぎるヌード"伝説」「Yの悲劇/"夢二式美人"はなぜ脱いだのか」「そして海女もいなくなった/日宣伝映画に仕組まれたヌード」「男には向かない?職業/満洲移民プロパガンダ映画と"乳房"」「ミニスカどころじゃないポリス/占領と婦人警察官ヌード」「智恵子少々/冷戦下の反米民族主義ヌード」「資の国のアリス/70年代パルコの"手ブラ"ポスター」と遊び心満載だ。池川は東京女子大を卒業し、45歳で川村学園女子大学大学院に進学し、そこで若桑みどりに師事している。また近年は東京女子大学で総合教養科目「女性と表現」を担当し、2年間にわ

    『ヌードと愛国』を読む - mmpoloの日記
    akihiko810
    akihiko810 2014/11/13
    池川玲子『ヌードと愛国』(講談社現代新書)
  • 山口果林『安部公房とわたし』を読む、なぜ女たちは告白するのか - mmpoloの日記

    山口果林『安部公房とわたし』(講談社)を読む。女優山口果林が安部公房との関係を赤裸々に語ったものだ。山口はデビュー早々にNHK朝の連続テレビドラマ『繭子ひとり』の主役に抜擢され、スターに躍り出る。しかし、その時すでに安部公房の子供を身ごもっていて中絶したという。山口は桐朋学園大学短期大学演劇科へ入学して安部と出会っている。のちに安部公房ゼミナールに参加し、やがて深い関係になる。だが、安部には安部真知がいるし、山口は人気女優であり、スキャンダルを恐れて二人の関係は完全に隠される。安部の晩年になってようやくマスコミで囁かれることになるが、ノーベル賞候補の声が高く、新潮社からは安部の離婚・山口との再婚を反対される。受賞に影響があるというのだ。安部は真知とは別居するものの、山口との同居を公にすることなく亡くなってしまう。安部が亡くなって20年経ってようやく山口が安部との関係を赤裸々に語ったのが

    山口果林『安部公房とわたし』を読む、なぜ女たちは告白するのか - mmpoloの日記
    akihiko810
    akihiko810 2014/09/14
    ヌードがすごく美人だった。今でいう山口智子みたいな雰囲気
  • mmpoloの日記

    東京京橋のギャルリー東京ユマニテで富田菜摘展「古き良きものたち」が開かれている(4月20日まで)。富田菜摘は東京生まれ、2009年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業している。2007年よりここ東京ユマニテで今回で7回の個展を開いている。そのほか、日橋高島屋美術画廊Xや新宿高島屋美術画廊、佐藤美術館などで数多くの個展やグループ展に参加している。 ギャラリーのホームページより、 富田の代表的な作品は、自転車やキッチン用品、電子機器などの金属廃材で作られたキュートで愛らしいカメやサル、鳥、恐竜など動物の立体作品で、大きいものは約2m、中にはキャスター付きの椅子をそのまま仕込み、上に乗って動かすことができる作品もあります。 富田が金属廃材の作品と並行して発表しているのが、新聞や雑誌の切り抜きを使った人物作品です。流行や社会現象など時代を表すメディアである新聞や雑誌で、その時々の人物像を発表して

    mmpoloの日記
    akihiko810
    akihiko810 2011/08/22
    >Modesty M. Polo、略してM.M.Polo
  • オオタアリサ個展が危険で面白い - mmpoloの日記

    京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで開かれているオオタアリサ個展が危険で面白い(26日まで)。 オオタアリサは1987年東京生まれ、現在武蔵野美術大学4年在学中。今回が初個展だ。見たとおり妖しい世界を描いている。 「去る昨日」 石田徹也を思わせる 「劣等感」 画面中央あたりの筆触が美しい。とても魅力的だ。 「押入れ」 「知ってる家」 「インファントマッサージ」 「アパート -frosted-」 「くるまやさん」 「融合」 オオタアリサのファイルには展示できないような危険な作品もある。オオタが質的に持っているこの危険さが、彼女の作品の魅力を担保している。会田誠が毒を持っていることによって優れた作家であるように、オオタも毒まではいかないがその危険さによって、類似の画家たちとはっきり区別されるだろう。オオタはいま多様な表現を模索している。それがどこに落ち着くのだろう。将来が楽しみな若い作家だ。

    オオタアリサ個展が危険で面白い - mmpoloの日記
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