5月に『いまだ成らず 羽生善治の譜』を上梓、ノンフィクション3冠制覇を達成した『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたか』の著者でもある鈴木忠平。昨年10月に世に問うた『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』でミズノスポーツライター賞を受賞、そして幅広い読者の支持でベストセラーになっている森合正範。今、最も注目されるノンフィクション作家2人による豪華な対話シリーズ。 第3ラウンド・後編では、鈴木さんと森合さんが「作家として売れること」「編集者に求めるもの」について語り合った。<全4回の第4回/第1回から読む> ◆第3ラウンド 鈴木忠平×森合正範対談・後編 ――二つ質問させてください。一つは、自分で現場に行って自分の視点を出す手法で本を書くのは限界があると思うんです。鈴木さんの『嫌われた監督』の番記者時代のエピソードも、森合さんの井上尚弥を書く葛藤も、次同じテーマで書いても、前回ほど